春原ゼミ 活動の記録

春原ゼミの特色

春原ゼミは2018年度後期に発足しました。本ゼミは、教員(春原)の専門性から(参考:https://researchmap.jp/sunohara/)、主に美術史・文化史、博物館学、美術教育、アーツマネジメント、表象文化論・メディア文化(ポップカルチャー・ポピュラーカルチャー・サブカルチャー)研究などの領域を取り扱います。ゼミは偶然に集い同じ方向性を持つ学びの緩やかなコミュニティですが、そのメンバーたちのなかで適切な役割を果たすためには、自分自身や興味関心についてよく知る必要があり、また、集団の活動のなかでさらに深く自己を知ることができます。そのような3年次のゼミでの活動で見出された個人の問いや研究のテーマを、4年次のゼミにおける、各自の卒業研究・制作へとつなげて行きます。

ゼミ全体プロジェクトと個人活動の往還の重視

春原ゼミでは、グループやチームといった集団全体の活動や全体の目的において、個人としての自分の特性や得意・不得意、興味関心に応じて、どのような役割を果たせるのか、どのように活動できるのか(何がどんな方法でどの程度できて、どんな方法が困難だったり、何が不可能なのか)を見定め、行動するという、全体と個人の関係性を重視しています。そこで3年生ゼミでは、ゼミ全体で行うプロジェクトと、各自が個人で行うプログラムを組み合わせて、全体・個人の相互の影響を考えながら、学生の主体性を重視しながら活動をデザインしています。
集団のなかで適切な役割を果たすためには、自分自身や興味関心についてよく知る必要があり、また、集団の活動のなかでさらに深く自己を知ることができます。
そのような3年次のゼミでの活動で見出された個人の問いや研究のテーマを、4年次のゼミにおける、各自の卒業研究・制作へとつなげて行きます。

あらゆる活動のプロセスと成果・課題を記録することの重視

また、春原ゼミでは、自分たちのあらゆる活動を、できるかぎり記録に残し、発信していくことを大切にしています。なかでも、紙媒体である冊子を重視して、3年次ゼミ記録冊子を毎年度作成しています。
その記録は、下記の観点から、将来の「自分」たちのため、また、芸術文化と社会をつなごうとしているどこかのだれかという「他者」の活動のため、ひいては芸術文化によって活性化される「社会」のためのものであると考えています。
・ある時間・ある場所で行われたプロジェクトの成果を時空を超えて残す・伝える・活用する。
・プロジェクトの実施者自身のふりかえり(評価)を行い、そのプロジェクトの成果・課題を認識し、次のプロジェクトの充実につなげる。
・芸術文化にかかわる実践の成果を積み上げて、その全体の可能性を広げていく。
・ポートフォリオとして自分・自分たちの活動をアピールするための媒体。
・紙の冊子として図書館等に長い時間残っていく可能性があり、後の時代のそれぞれのタイミングで情報を必要とする人たちの目にとまる可能性がある。

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春原ゼミの活動記録

2023年度
2022年度
2021年度
2020年度
2019年度
2018年度

2023年度

3年次ゼミ

[個人]
研究テーマ探求プレゼンテーション

 2023 年3 年生ゼミには14 名の学生が所属しました。
 各自が現時点での芸術文化に関する個人の関心を探求し、とりあえずのテーマを設定して、対象領域の境界をおおまかに把握するためのリサーチと、観点の設定を行いプレゼンテーションに落とし込む、研究テーマプレゼンテーションを実施しました。これは、4 年次の卒業研究・制作に向け、対象に対して観点を設定した上で分析・解釈し、的確に伝達する研究とコミュニケーション技法の学びでした。

[全体]
あさごはんぷろじぇくと

 全体プロジェクト「あさごはんぷろじぇくと」では、生活に溶け込んだごく身近などのような行為にも、その歴史(はじまりと変遷)があり、変化しながら受け継がれてきた「文化」であることを考えてみることを目指しました。きっかけは、どうすれば、学生たちが遅刻や欠席をせずに大学に来て、8:50 にはじまるゼミに出席できるのだろうかという問いが話題になったときに、「おいしい朝ごはんがあればみんなが集まるのではないか」という提案が出たことに始まります。学びと研究の場でいっしょに朝ごはんを食べるという行為自体が、発見をもたらしそうでした。
 昼食でも夕食でもなく、朝食には、こんにち、1 日の始まりの食事として、健康的にも教育的にも特権的な位置づけが与えられています。わたしたちやあなたの日々に必ずあるはずで、しかしひとりひとりまったく異なるものとなっているはずの朝ごはんを再考しながら、日常のなかの文化を見つめ直すことで新たな価値を与えたり、いまある価値を高めるたりすることを通じて、芸術文化と社会の関係を考え、作りあげる学びを行うこととしました。
 朝食の文化史的調査をもとに、ゼミ室を舞台に毎週180 分の時間を使い、グループでひとつのワークショップ企画を考案して他のゼミ生に向けて実施します。その実践を直後に全員でふりかえり、自分たちが行ったこと、そこで起きたことの価値を、企画構想のプロセスだけではなく、実施者や参加者がみんなでふりかえることで見出し意味づけていくことの学びを重要視しました。そこにどのような意味や価値を見出すことができるかを導き出すふりかえりを重視しました。
 各自の朝ごはんをめぐる行為や思考をふりかえりながら関心の近いメンバーと合流し6 つのグループができました。1 つのグループは、ワークショップ実施後のふりかえりやディスカッションのファシリテートを担う役割を担当しました。そのほかの5 つのグループのテーマが次の通りです。
 1.地域のあさごはん(地域班)
 2.架空のあさごはん(架空班)
 3.グッズとあさごはん(グッズ班)
 4.マンガとあさごはん(マンガ班)
 5.アニメとあさごはん(アニメ班)




4年次ゼミ

卒業研究・制作タイトル一覧

[論文] 土田麦僊の女性へのまなざし―《平牀》を中心に― 【優秀賞】
[論文] ファーレ立川からみるアートによる地域活性化
[論文] スマートフォンゲームの変化に関する考察―2010年代から現代にかけての特異な過渡期―
[論文] 美術館におけるエンターテイメント性の意義―レアンドロ・エルリッヒからの考察―
[論文] 芸術支援と信州アーツカウンシルの実態―アートによって可視化された長野県の特性―
[作品表現(イラストレーション)] 交通事故で右脳を損傷した私が体験した、「高次脳機能障害」のすべて 【学科賞】
[作品表現(書籍)] 祖父の個人史
[作品表現(音楽・ブックレット・イラストレーション・詩)] 詩表現を軸としたマルチメディアの分解
[作品表現(ぬいぐるみ)] 「かわいい」ぬいぐるみ
[作品表現(冊子・マンガ)] 二次元の人が好き―フィクトセクシャルという生き方―
[作品表現(イラストレーション)] 少年キャラクターの「らしさ」についての考察
[作品表現(冊子・マンガ)] 日常系BL漫画表現―ジェンダーバイアスからの解放と生活への民芸的眼差し―
[作品表現(冊子・絵画・空間)] 現代カフェ文化と茶の湯―文化と空間から見る居心地の良さ―
[作品表現(写真)] 「遊び」の空間
[作品表現(イラストレーション)] 韓国イラストの明瞭性と魅力―日韓のイラストの違いから見る―

2022年度

3年次ゼミ

[個人]
新書プレゼンテーション

[全体]
群馬県立自然史博物館特別展「ぐんまの自然の「いま」を伝える」展でのブース展示
ポップカルチャーの視点を通して自然史を知るためのプログラムを提案する展示「アポネ展」

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4年次ゼミ

卒業研究・制作タイトル一覧

[論文] 山田正亮《Work.C》シリーズの研究―ストライプ絵画の表現と受容の観点から― 【優秀賞】
[論文] 内藤礼の生へのまなざし―豊島美術館《母型》を中心に― 【優秀賞】
[論文] 災いを断つ南無阿弥陀仏―利剣名号における書体と信仰対象の姿― 【学科賞】
[論文] 現代日本における吸血鬼像の表象―記号化される吸血鬼の変遷―
[論文] アート思考のルーツと日本における活用の展望―アート鑑賞とビジネスへの展開に注目して―
[論文] 日本のストリップ産業における現状と猥褻概念―女性の身体の性表現規制を巡って―
[論文] 近年の環境や心理的状況から見るスマホゲーム依存―心の拠り所との付き合い方―
[論文] 推し研究―女性ファンの関与によって更新される男性アイドルのイメージ̶
[論文] 戦後「桜ソング」を中心に見る「桜」と「別れ」の関係性
[作品表現] 誰が「魔法」を操るのか―喜怒哀楽としての「魔」に対峙するための装置を考える―
[作品表現] キャラクターを対象とした占星術サイトの制作―占星術を用いた内面設定の類型化と活用―
[作品表現] コミュニケーションツールとしてのボードゲームの新たな可能性について
[作品表現] 労働組合と学生運動を取材したセルフドキュメンタリー
[プランニング] 「日本漫画」のこれから―横読みと縦読み(webtoon)の共存

2021年度

3年次ゼミ

[全体]
羽村市生涯学習センターゆとろぎにおける展示
ゆとろぎ美術園 第2回展示「はむら万博―大阪万博から見る今昔と羽村、そして未来へ―」

羽村市生涯学習センターと芸術文化学科の連携事業である「ゆとろぎ美術園」の第2回展示として行ったプロジェクト。
教員が所蔵する1970年の大阪万博の資料を正確な理解に基づいて、そのものとは直接の関係を持たない具体的な場所と結びつけて、どのような分脈で伝えることができるかを考える、学術的および地域のリサーチと実践的な展示・発信を組み合わせた学び。
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[全体/個人]
芸術文化についてのQ&A小論集『必要不朽の芸術文化』

今日における芸術文化に対する社会からの様々な疑問に答えることを目指す小論集を作成した。
現代社会・文化のリサーチと、魅力的なテキスト執筆を組み合わせた学びで、学生各自が文章メディアで芸術文化と社会をつなぐ具体的な方法を検討した。
・日本で「美術」はどうやって生まれたの?
・どうして美術館にはカフェがあるの?
・美術が分からなくても美術館に行く意味ってあるの?
・芸術鑑賞では、作者の意図を考えなくちゃいけないの?
・展覧会ってどう楽しむの?
・どうして漫画を読んでいると怒られるの?
・遊びと学びの境界ってあるの?
・何も考えずただ作品を消費してはいけないの?
・二次創作も芸術文化ですか?
・芸術文化って何かの役に立つの?
・オンライン授業を受けるときの体勢と場所は?
・今イチオシの芸術文化は?


[個人]
新書プレゼンテーション

4年生の卒業研究・制作に向けて、その基礎的な研究能力を身につけ、自らの研究テーマを見出す助けとするため、テキストを読み解き、的確に伝達する研究とコミュニケーション技法を学んだ。
自身の興味関心を踏まえた上で一冊の新書を選出し、内容の要約を含める15分間のプレゼンテーションと、同じく15分間の意見交換を実施した。新書は知識を得るための入口として適しており、新書を読
んでから学術書などへ繋げ、理解を深めていくことも可能である、本質を見出すには一冊全部の内容が必ずしも必要というわけではなく、必要なのはたった1ページ、1行の場合もあり、必要な情報を見極める、言わば「要約力」を身に付けることも目的とした。

[個人(教員)]
群馬県立自然史博物館特別展「ぐんまの自然の「いま」を伝える」展でのブース展示
美術的・造形的観点(かたち・色)に注目した群馬県立自然史博物館常設展鑑賞プログラムの提案

告知ページ

展示・ポスター発表タイトル:美術的・造形的観点(かたち・色)に注目した群馬県立自然史博物館常設展鑑賞プログラムの提案
報告会要旨集(pdf)

2018年度から継続している群馬県立自然史博物館の「ぐんまの自然の「いま」を伝える」展への参加を行った。本年度は、教員のみが群馬県立自然史博物館の常設展をリサーチし、美術大学の専門性を活用した常設展の鑑賞プログラムを提案する。
この鑑賞プログラムでは、さまざまな世代や博物館経験、自然史の知識も多様な来場者を対象として、資料をはじめとして、さらには展示什器や解説パネル、屋内設備などの展示室内のあらゆる物について、いったん自然史の文脈を離れて鑑賞者の視線を解放し、形態(かたち)や色彩といったより注目しやすい美術的・造形的観点をポイントとして、それら要素を展示室内で「探す」自発的・身体的行為により、まずは資料の表層に触れ、そしてそこから先によく見ることを促すことを目指す。この視点は、世界のなかに興味深い造形を見出そうとするアーティストの眼と意識である。今回の展示では、その視点を各資料・展示物の造形に注目した写真によって示し、もうひとつの常設展鑑賞の方向性を提示する。
今回は、試行的に要素をある程度限定して、形態については円、穴、くぼみ、亀裂、縞、隙間などの観点、色彩については、青、赤、黄、緑等や、透明・半透明等をポイントとして設定した。今後の展開としては、さらに細分化したポイントの設定が考えられる。
プログラム考案のためのリサーチのプロセスにおいては、自然史資料には原色に近い彩度の高い色彩は数少ないこと、ひとつの個体が常にグラデーションやしみなどの変化を伴った色彩を有していること、正円は展示室内の什器や設備等には見られるが、自然史の資料にはほとんど見られないこと、対照的に什器やパネル、設備などの工業的な人工物には、鮮やかで均一な色彩や正確な幾何学形態が多数見られることが把握された。これは、本プログラムが鑑賞者に示唆するものでもある。このように、形態・色彩といった表層は資料の機能や背景などの文脈とも関連していることが、改めて意識されるのではないか。
なお今回の展示では、プログラムの概観イメージとして、資料の色彩に注目した写真による色相環をビジュアルとして提示し、その目的や内容を印象付けることを目指し、美術的・造形的観点の意義を伝えることも意識した。




[記録冊子]
『武蔵野美術大学造形学部芸術文化学科春原ゼミ活動の記録2021 つながりに意味を生み出すための学び』

A4版・全38頁
執筆:2021年度ゼミ学生(3年次)・春原史寛
編集:梨本奈那(編集長)・会沢世怜望・佐藤実柚
デザイン:川島櫻子・滝沢佳奈
監修:春原史寛
発行日:2022年3月31日
発行者:武蔵野美術大学造形学部芸術文化学科春原ゼミ
ISSN:2436-2638

4年次ゼミ

卒業研究・制作タイトル一覧

・[論文] 樂家450年の普遍性の研究―現代に継続する初代の思想に対する一考察―
・[論文] 私は何故都会を離れられないのか―大衆作品から読み解く東京―
・[論文] パラレルワールドの作品が破綻していった原因―作品の方向性を決める要素についての考察―
・[論文] 京王電鉄の車両デザイン戦略―乗客の利便性がどのように反映されてきたのか―
・[論文] 流行歌における人間と故郷の変遷―阿久悠を中心に―
・[論文] 現代日本におけるミュージカル観劇の契機と観劇行動の考察―翻訳ミュージカルを中心に―
・[論文] 日本におけるヘンリー・ダーガー受容
・[論文] ミッフィー研究―なぜ日本人はミッフィーを愛好するのか―
・[プランニング] 親子から他者へ―対話を用いた親子関係の編み直し―
・[プランニング] 苗加製作所の未来を創る 【学科賞】
・[作品表現(冊子)] あの日の名画座―名画座の現在と劇場にまつわる思い出の記録―
・[作品表現(キャラクター・プロデュース)] Red:ALIVE!―擬人化を用いたキャラクターコンテンツ展開―
・[作品表現(平面作品)] 前意識を活用した表現の探求―なんとなく「顔」を描くことで現れる自己―
・[作品表現(映像デバイス)] 昭照好光
・[作品表現(冊子)] 文化施設としてのライブハウスの存在意義
・[作品表現(平面作品)] 静物画におけるものと光と陰影の関係性とそのより充実した表現の追求
・[作品表現(冊子)] 眞柄家、小林家の記録―祖父母を中心とした、家族に関する記憶の記録―
・[作品表現(冊子・インスタレーション)] 私が私であるために―モラル・ハラスメントの実態と対処法について考える―


2020年度

3年次ゼミ

[全体]
リサーチプロジェクト
Assortment in 2020 ―美大生14 人の視点によるコロナ禍の芸術文化活動の調査と記録―

2020年の芸術文化の状況を美大生の目線で残しておく必要があると考え、14人の学生がコロナ禍の芸術文化活動をテーマに、各々に興味のある分野について調査し、執筆した小論集を作成した(ゼミ活動記録冊子内に掲載)。調査・小論のジャンルは美術館・博物館、政策、映像制作、ライブハウス、アイドル、同人誌など様々であった。また、リサーチや執筆の成果を、4年生の卒業研究・制作につなげることも目指した。

【論題】
Reseach 01 コロナ禍における日本の美術館の対応 ―リアルの活動とオンラインの調和―
Reseach 02 コロナ禍においてのテレビ制作と対する視聴者の反応
Reseach 03 コロナ禍におけるライブ活動が示すアイドルの重視するもの ―東京拠点の秋元康プロデュースグループから考える―
Reseach 04 コロナ禍におけるゲーム実況カテゴリの変化と流行
Reseach 05 コロナ禍における演芸劇場の対応と今後の展望 ―吉本興業を中心に―
Reseach 06 ライブはオンラインコンテンツに遷移するのか
Reseach 07 演劇における映像配信の可能性 ―観客の反応の調査―
Reseach 08 美術館のオンライン化とその可能性に関する考察
Reseach 09 コロナ禍におけるライブハウスの生存戦略
Reseach 10 コロナ禍における同人誌即売会の現状
Reseach 11 コロナ禍における文化芸術をめぐる異議申し立て運動と政府の対応
Reseach 12 新型コロナウイルスが博物館に与えた影響を様々な観点から考察する
Reseach 13 コロナ禍における映像制作現場の変化 ―『カメ止め!』制作陣とソニーの新たな撮影方法から考える―
Reseach 14 映画と映画館が迎えたコロナ禍の記録 ―初回の緊急事態宣言までの動向―
Reseach 15 コロナ禍の芸術文化活動を知り、いまとこれからの社会を考えるための読書案内(春原史寛)

[全体]
群馬県立自然史博物館特別展「ぐんまの自然の「いま」を伝える」展でのブース展示
美大生と見る! 自然史博物館プロジェクト ―ホンモノとホンモノではないモノの関係をさぐる―

告知ページ

展示タイトル:ホンモノとホンモノではないモノの関係をさぐる
ポスター発表タイトル:美大生と見る! 自然史博物館
報告会要旨集(pdf)

2018年度から継続している群馬県立自然史博物館の「ぐんまの自然の「いま」を伝える」展への参加を行った。
今回は「ニセモノ」と「ホンモノ」の関係を探り、博物館におけるレプリカや模型等の複製資料の役割・存在意義を子どもたちに伝えるという意図で、展示・映像、ワークショップ、常設展示ワークシートを美大生の視点から提案した。博物館と連携して行うプロジェクトということで、特に学芸員課程を履修している学生にとっては貴重な学びの機会となった。
なお、コロナ禍の状況を踏まえ、博物館(展示・バックヤード)のリサーチ、学芸員との対話、施設や資料の撮影、展示作業などをすべてオンライン・リモートで実施した。



動画「おしえてはかせ!レプリカのふしぎ!」

ワークショップ「何をみつけた?~ムサビ生と考えるレプリカの旅~」(ワークショップのイメージ動画)

[個人]
輪読プロジェクト

卒業研究・制作を控え、「読む」力を鍛えるために3冊の課題本を決め、ゼミ生全員で分担して読み込んだ。課題本はそれぞれ美学論、近代日本美術制度論、サブカルチャー/メディア・コンテンツ論に関連するもので、ゼミ生の興味関心を広く覆うものになった。特に輪読はほとんどのゼミ生にとって初めての試みで、毎週1~3人がプレゼンを担当し、全員が能動的に取り組んだ。

【課題図書】
・ジョン =バージャー著、伊藤俊治 『イメージ 視覚とメディア』筑摩書房、2013年
・佐藤道信『〈日本美術〉誕生 近代日本の「ことば」と戦略』講談社、1996年
・岡本健・田島悠来編『メディア・コンテンツ・スタディーズ 分析・考察・創造のための方法論』ナカニシヤ出版、2020年

[記録冊子]
『武蔵野美術大学造形学部芸術文化学科春原ゼミ活動の記録2020 見えない表面 触れる深層 ―コロナ禍の芸術文化活動を考える―』

A4版・全90頁
執筆:2020年度ゼミ学生(3年次)・春原史寛
編集・デザイン:内山愛子・烏山恵・重永こゆみ・苗加寅央・中嶋一人
自然史博物館パート編集・デザイン:長谷川蘭・牧天羽音
表紙デザイン:苗加寅央・中嶋一人
監修:春原史寛
発行日:2021年3月31日
発行者:武蔵野美術大学造形学部芸術文化学科春原ゼミ
ISSN:2436-2638
国立国会図書館サーチ

4年次ゼミ

卒業研究・制作タイトル一覧

・[論文]学芸員と建築家の相互作用によって生まれる美術館建築また展示空間の重要性
・[論文]ミュージアムにおけるマンガアーカイブ資料の活用
・[論文]マンガ展示の現状と可能性 ─マンガの展覧会の変遷とマンガ展示の事例研究─
・[論文]見えないものは「見る」に何をもたらすのか
・[論文]ぴちょんくんはキャラクタービジネスとして成功なのか ─これからのキャラクタービジネスのあり方─
・[論文]Vtuber から見るインターネットコンテンツと「人格」を演じることについての考察 ─「エンタメ」を分類することの意義─
・[プランニング]『あそ弁 ─アソビの弁当箱─』 3 能力を横断した学校での美術教育を補うゲーミフィケーション教材の開発 ─対話による鑑賞・デザイン思考・個性の視点から─ 【学科賞】
・[プランニング]fog lamp letter ~高校生の進路の選択肢を増やすメールレター~ 【学科賞】
 →twitter @foglump_letter
・[プランニング]まうとぴあプロジェクト ─武蔵野美術大学における美術教育を用いた不登校児童生徒との共同活動計画─
・[作品表現](冊子)“Chasing the Simnel Cake” 民族料理における装飾はどのような文化、精神性に反映されているか ─視覚的アプローチ・冊子表現─
・[作品表現](インスタレーション)クリア ─空間と文字─
・[作品表現](映像)ようこそ、家へ ─引きこもりから美大まで、そして社会へ─


2019年度

3年次ゼミ

[全体]
子ども向け造形・鑑賞ワークショップ「まる!マンダラ!」
長野県・東御市梅野記念絵画館 企画展「永遠の求道 小倉尚人展」関連イベント

「永遠の求道 小倉尚人展」に関連して、画家・仏画師でる小倉が生涯をかけて追求した曼荼羅の世界を知るきっかけを掴むため、「丸」と「色彩」に主眼を置き、レクチャー・造形活動・小倉尚人作品の鑑賞活動を組み合わせ複合的なワークショップを企画・実施した。子どもたちにとって理解の難しい概念である曼荼羅を、少しでも身近に感じてもらえるように、ゼミ生全員が手作りの衣装を着て仏に扮するなど、視覚的にも親しみを持てるように試みた。
・日時:2019年12月8日(日)13:30-15:30
・会場:東御市梅野記念絵画館・ふれあい館
・対象:小学生・中学生






[全体]
群馬県立自然史博物館特別展「ぐんまの自然の「いま」を伝える」展でのブース展示
「魅惑のおしり展」

展示タイトル:魅惑のおしり展
ポスター発表タイトル:美術大学学生による群馬県立自然史博物館活用方法の検討と提案
報告会要旨集(pdf)

昨年度から継続して群馬県立自然史博物館の「ぐんまの自然の「いま」を伝える」展に参加した。「魅惑のおしり展」を提案し、正面ではなく後ろ側から動物剥製にアクセス(視覚・触覚)することで、自然史に対する新たな発見や学びが得られ、ハンズオン展示による破損した剥製の活用なども目指した。
【展示の内容】
1. おしりって何?
2. 実際に触れるおしり
3. おしりから出るもの
4. 自然史博物館ならではの観点からのおしり紹介
5. 文化的視点から見たおしり
また、フライヤー、リーフレット、パネル等の印刷物、ディスプレイあるいは関連グッズの制作、また関連イベントの企画立案については美術的な観点からの工夫を行った。

[個人]
みに☆プロ 過去と未来をつなぐ

学生が各自で関心を持っていて行いたいことを、ごく小規模の、毎週のゼミの授業時間内で完結するプロジェクトを計画して実践する。学生の大学内・大学外の公的・私的な活動をつないで、4年次の卒業研究・制作のテーマ、問いを見出すことを目指した。
・条件1:90分の授業1コマのなかで完結すること
・条件2:「過去と未来をつなぐ」ことをテーマにすること。
・条件3:自己のプロジェクトを評価する方法(指標)を考えること。
終了後、実施した学生自身がそのプロジェクトの評価方法を提案し、参加していた他の学生と教員がその方法に従って評価を行う。その評価をもとに、全員でプロジェクト全体についてディスカッションを行う。

【各回のタイトル】
・ここちよい展示・空間・Museum
・ワークショップとは何か
・メディア・コンテンツの表現について『氷菓』を題材に考える
・マンガを観る!
・情報伝達手段としての「宣伝」おう、CM
・マンガの収集・保存 オタク視点を添えて
・水溜まりボンドからみるYouTuberの有意性
・みんなの知らないボードゲームの世界
・ミュージアム・展望 これまでとこれからを感じる

[個人]
推しプレゼン

自分の推したい(=他者に推薦したい、紹介したい)ものや人などを1~3分間でプレゼンテーションする。グループ全員で進めるワークショップを控えていたため、ゼミメンバー同士の友好を深めるため、毎回テーマを決めてそれぞれが好きなものや人を共有することで、お互いの趣味の傾向や興味のある分野を知り、プレゼンテーションを通じてゼミ生について知ることができるのではないかと学生が考え実施した。

【各回のテーマ】
第1回「推しお菓子」
第2回「推し①」
第3回「推し②」
第4回「推しLINEスタンプ」
第5回「推しマンガ」
第6回「推しアーティスト」
第7回「推し展覧会」

[記録冊子]
『武蔵野美術大学造形学部芸術文化学科春原ゼミ活動の記録2019 過去と未来をつなぐ』

A4版・全68頁
執筆:2019 年度ゼミ学生(3年次)/井上奈緒・大浦美咲・加藤桃香・柴田康佑・鈴川唯・鈴木花佳・寺本格・中川晴花・松原輝 教員/春原史寛
編集・デザイン:鈴木花佳・鈴川唯
制作協力:木村桃子(芸術文化学科助手)
発行日:2020年3月31日
発行者:武蔵野美術大学造形学部芸術文化学科春原ゼミ
国立国会図書館サーチ

4年次ゼミ

卒業研究・制作タイトル一覧

・[論文] 美術館付属レストラン・カフェの在り方―他領域の博物館との比較から見る―
・[論文]「 盛る」美学論―自己を拡張する表現の意義―
・[論文] 芸術におけるカタストロフ表象―ひとりひとりの記憶の中の裂け目―
・[作品表現](写真) 近代化以降、ターミナルとしての東京湾岸部の魅力の発信―自己の写真作品発表を通じて―
・[作品表現](映像・冊子) さのなこアイドル向上委員会―魅力的なアイドルパフォーマンスの要素―
・[作品表現](立体) 廃墟ヒーリング

2018年度

3年次ゼミ

[全体]
群馬県立自然史博物館特別展「ぐんまの自然の「いま」を伝える」展でのブース展示
「とっ散らかり」展

展示タイトル:「とっ散らかり」展
ポスター発表タイトル:自然史博物館における「アート」による発想・思考活用の可能性―美術大学学生による自然史イメージの再検討による展示企画案提案を通して―
報告会要旨集(pdf)

群馬県立自然史博物館が2009 年度から毎年継続して開催する特別展「ぐんまの自然の「いま」を伝える」に参加し、美術を専門とする大学も、ある地域の自然史の教育普及に関わることで、「自然史」や「美術」領域双方の社会的意義の提示になり、また、美術や博物館学を学修する学生たちが実践的に学ぶことを目指した。

【展示の趣旨】
群馬自然史博物館を会場とした、群馬県の自然史の 多様な側面を伝える博物館 活用方法案を軸とした“架空”の企画展を、サイエンスとアートの 協同を 念頭に、美術領域の専門性に立脚して提案、そのコンセプトを具体的に展示した 。
・タイトル:「とっ散らかり展」 キャッチコピーは「まだ、途中」。
・ビジュアルイメージ:散らかった家(博物館は「綺麗」「丁寧」という既存のイメージを覆す)。
・ターゲット:これまで自然史にあまり興味がなかった人たち。
・主な展示内容 :研究者が研究を行う部屋・空間によって研究中のイメージを演出し、ある資料の調査や課題の解明は常に現在進行形であることを実感的に体感できる展示とする。



[個人]
ミニ・プロジェクト 内と外をつなぐ

学生が各自で関心を持っていて行いたいことを、ごく小規模の、毎週のゼミの授業時間内で完結するプロジェクトを計画して実践する。学生の大学内・大学外の公的・私的な活動をつないで、4年次の卒業研究・制作のテーマ、問いを見出すことを目指した。
・条件1:90分の授業1コマのなかで完結すること
・条件2:「内と外をつなぐ」ことをテーマにすること。
・条件3:自己のプロジェクトを評価する方法(指標)を考えること。
終了後、実施した学生自身がそのプロジェクトの評価方法を提案し、参加していた他の学生と教員がその方法に従って評価を行う。その評価をもとに、全員でプロジェクト全体についてディスカッションを行う。

【各回のタイトル】
・身体(内) と外(他者、環境)と設定し身体表現活動にはどのような可能性があるか。記録や実録によって考察する。
・「弱さを強さに変える」ワークショップから見えた、他者との新しいコミュニケーションの形
・体内と体外を繋ぐ
・「みんなで各々自撮りする会」の実践

[記録冊子]
『内と外をつなぐ学びを考える 武蔵野美術大学芸術文化学科春原ゼミ活動の記録2018』

A4版・全48頁
執筆:2018 年度ゼミ学生(3年次)/岡田美里・岡西夏季・川口春佳・小坂綾花・佐野菜子 教員/春原史寛
編集:川口春佳(主担当)・岡田美里・岡西夏季・小坂綾花・佐野菜子
表紙デザイン・レイアウト:川口春佳
制作協力:勝俣涼(芸術文化学科助手)
発行日:2019年3月31日
発行者:武蔵野美術大学芸術文化学科春原ゼミ
国立国会図書館サーチ

MUSABI 100武蔵野美術大学 旅するムサビプロジェクトカルチャーパワー