OPEN CAMPUS 2017武蔵野美術大学 旅するムサビプロジェクトカルチャーパワー

大学院

造形研究科 修士課程 美術専攻 芸術文化政策コース

造形研究科 修士課程 美術専攻 芸術文化政策コース
大学院では、2年間のカリキュラムを通して、芸術文化の多面的なあり方と、芸術が突き当たった現在の状況を知識と経験を通じて考察します。カリキュラムは、比較文化や美術理論の講義、オムニバスによるテーマに沿ったディスカッション、テキスト講読、展覧会のキュレーションや冊子編集、論文執筆などからなり、さまざまな知見をつきあわせて、芸術文化のあり方を幅広く、深く学ぶことができます。
 アートならびにデザインを専門に研究・制作する学生・院生とも積極的に交わり、議論や展示を行う実践的な学習も行います。また、学内に美術館やギャラリーを併設し、展覧会が常に開催されているという、他大学とは一味違う現場教育を受けることができる大きな特長をもっています。

理念・教育目標

コース名にある「政策」とは、美術と社会をめぐる諸事象を支えている「思想・理念」、すなわちアート・ポリシーを指します。芸術文化を真に人々のものとするために、芸術を求める心や〈美〉のありかを広く探求しつつ、社会とアートの関わりを考察し、より高度なマネジメント能力と専門的な高い教養を身につけた人材を育成します。さらに、従来の芸術学や美術史的研究をも包括します。ちなみにここでの「文化政策」は、政府・自治体の「文化施策・方針(ガヴァメント・ポリシー)」を意味するのではありません。

アドミッション・ポリシー

主に、学芸員、美術教育者、美術館教育普及美術/デザイン批評、出版編集、アート/デザイン・マネージメント、学術研究者などを希望する、学習意欲の高い入学志願者を求めます。

カリキュラム・ポリシー

1、2年次を通して「芸術文化政策演習」と「芸術文化政策特論」を履修し、芸術文化の多面的なあり方と、現代が突き当たった芸術状況を皆と共に知識 と経験を通じて考察します。カリキュラムには、比較文化や美術理論の講義、オムニバスによるテーマに沿ったディスカッション、テキスト購読、展覧会のキュレーションや冊子編集、論文執筆などがあります。さまざまな知見をつきあわせて、マネジメントの基礎をプロセスとして学ぶことができます。本学にはアー トとデザインを専門に研究・制作する他コースがあり、本コースはそれを生かして、同じ教育空間で学ぶ学生・院生と交わり議論する実践的な学習になります。また、美術館やギャラリーを併設し、展覧会が常に開催されていますので、他大学とは違った現場教育の実際的な特長をもっています。

ディプロマ・ポリシー

所定の単位取得のほかに、1年次に、ディスカッションでの公開発表、学内企画展の組織化、プレ修士論文などの提出があります。2年次には、複数回の修士論文中間発表を行います。最終の修士論文は、40,000字以上、という提出規定があり、これらを総合して、修了認定の評価を行います。

造形専門科目教育課程表

前期 後期
1年 芸術文化政策演習I[専任教員] 芸術文化政策演習I[高島直之]
芸術文化政策特論I[垣内恵美子] 芸術文化政策特論I[林浩平]
2年 芸術文化政策演習II[専任教員] 芸術文化政策演習II[専任教員]
芸術文化政策特論II[専任教員] 芸術文化政策特論II[専任教員]

大学院彫刻コースとの連携

芸術文化政策コースは彫刻コースと連携し、「作品と言葉による相互批評の場」としての展覧会を企画しています。現在までに10回の展覧会を実施してきました。

2014年度実施の展覧会

「線を積む Piling Lines」展

武蔵野美術大学 大学院造形研究科美術専攻 彫刻コース展示

造形研究科 修士課程 美術専攻 芸術文化政策コース

会期中に開催されたトークイベントの様子

ゲスト作家に金氏徹平氏をむかえ、彫刻コースの学生と行ったグループ展企画。芸術文化政策コースの学生が企画・運営、図録(冊子)の制作を行いました。
線を積む展 展覧会ポスター

展覧会ポスター

矢津田叡海 芸術文化政策コース1年

芸術文化政策コースで学びはじめて、もうすぐ3ヶ月が経ちます。私は、人と芸術文化との関わりについて深く知りたいという思いから、大学院に進学しました。現在は、やまと言葉の一つ「あわれ」を軸に、芸術と文学をリンクさせた研究を行っています。
 授業は主にコースの専門科目と、大学院全体に開かれている共通科目に分かれ、ゼミナール形式で進むものが多いです。科目によっては、博士課程の学生に混ざって、教授と先輩の両方に教えてもらいながら受けるものもあります。授業は私たちの研究の手掛かりになると同時に、指標になるような踏み込んだ内容です。さらに、研究を進める上で役に立つ、考え方のテクニック等も教わることができます。また、教授との距離が近く、授業後にそのまま残って雑談……というようなこともしばしばあります。学部ではなかなか積極的に教授と話ができなかった私にとっては、これがとても嬉しいことでした。
 大学院では、自分の学びたいことにストレートに切り込んで行けます。学部以上に学ぶことが楽しく感じます。まだ不慣れなことも多いですが、充実した2年間を過ごしたいです。

王 嘉敏(オウ カミン) 芸術文化政策コース 1年生

「なぜ人間は芸術を必要とするのか」この問いに対する答えを求めたいと思い、私は芸術文化政策コースに入学しました。
ある展覧会でピカソの作品を見たときに、作品から伝わってきた「純粋さ」に、思わず自分が微笑えんでいたことに気付き、驚きました。あの一瞬の喜びと驚きは忘れることができません。こうした作品との出会いの楽しさ、面白さを、さまざまなバックグラウンドの人々にどのように知ってもらうことができるか。それが院での研究のテーマになりました。
 大学院に入ってからは、ファインアート、デザイン、映像、舞台、キュレーションといった、様々な分野の先生と出会っています。芸術文化を巡る、多彩な分野から刺激を受けながら、多様な角度から世界を見て、改めて人間という存在の奥深さを感じ取っています。「ムサビの大学院で何ができるの?」と聞かれたら、私は迷わず「世界を捉え直すこと」と答えるでしょう。

勝俣 涼 芸術文化政策コース 平成25年度修了

現在は美術批評家として活動していますが、この仕事に関心を抱くきっかけとなったのが、学部2年のときに受講した、高島直之先生の「編集計画I」でした。各自が毎週1本の展覧会評論を書き、アプリケーションソフトを使って紙面にレイアウトし、講義の時間にプレゼンする、という演習です。
 作品を充分に観察・吟味し、歴史的な視点と想像力をもって思考を重ね、執筆者が守るべき体裁を踏まえながら、説得力に足る論理的な記述となるように仕上げなければなりません。それゆえ受講者は、紙面構成も含め、執筆や編集にかかわる基礎を学ぶこととなります。
 私は大学院に入ってから、批評という仕事を現実的に考えはじめ、自分なりに外に出て、作家や批評家の人々とかかわるようになりました。どの時代のものであれ、人間が生み出した事物に向き合うことは過酷ですが、いかなる歴史的背景や思考、動機からそれらが生み出されたのかを総合的に感知する力は必要です。よく知り、よく吟味する、という芸文で得た心構えは、いまに生きていると実感しています。

修論タイトル一覧

平成26年度

小澤 瑤子「絵画療法の可能性」
小林 美香「財閥・実業家コレクターの近代史—ノブレス・オブリージュの観点でみる日本の美術制度—

優秀賞なし

平成25年度

大山香苗「「パフォーマンス的転回」による、見る/見られることの変容—マリーナ・アブラモヴィッチの作品を中心に
勝俣 涼「切断と反省性−ダン・グレアムにおける「距離」をめぐって」(優秀賞)
當眞未季「現代における作品受容の可能性—美術作品における鑑賞体験の変容について—
中村紗規「日本における展示空間の変遷」
森下賛良「石子順造(試)—「美術批評」の解体(再検討)という企み
吉田絵美「ゲリラ的芸術表現にみる都市性—ハイレッド・センターと東京

平成24年度

江川公平「日本のメディアアート振興政策における課題と指針」
西 まどか「規格化住宅の文化史—ヴァルター・グロピウスのプレファブ住宅とその創造性をめぐって
西川可奈子「アートの価値を決めるものは何なのか—日本のアートマーケットの現状と問題点を探る―
パクヒジュ「住民参加型のまちづくり—日本と韓国の事例からみる持続可能なまちづくりの考察と提案—
真砂恵美「公立美術館がわかちあうための方法」

優秀賞なし

平成23年度

小林橘花「ひとを動かすアートプロジェクト、その効用—フィールドワークから探る主体的な思考・行動のきっかけとは―
竹内那美「北脇昇の1940年代の絵画における「図画」・「図式」・「影像」概念の検証」(優秀賞)
村上卓也「アウトサイダー・アートが交差する「場」の考察」

平成22年度

内山結美子「美術館と地域の関係—アートが美術館と地域を結ぶ媒介になる可能性について—(優秀賞)
梅村祐子「John Burninghamの絵本研究—Aldoを中心に—
瀬古春佳「都市における「らしさ」の醸成とは—吉祥寺北口における大型店舗と地元商店街の共存共栄の形の考察を通して—
ソ・ムンジン「マンガのミュゼオロジー」