理念とポリシー

芸術文化学コースの概要

修士課程 美術専攻 芸術文化政策コースは2025年度から「芸術文化学コース」に名称を変更します。

 2003年に開設された大学院「芸術文化政策コース」は、今日の社会における芸術文化の「政策」にとどまらない広範な展開と、芸術文化にかかわる歴史・教育・博物館学などの理論的な枠組を、より実証的な視点として設定した芸術文化の実践的な社会活用に向き合う必要から、2025年度より名称を「芸術文化学コース」と変更することとしました。英語名称は「Art, Culture and Design Studies」となります。

理念・教育目標

 芸術文化学コースでは、社会における芸術文化の多様なあり方や、社会に対するアートやデザインの意義をとらえ、芸術文化の社会での活用について研究・実践・表現等の活動ができる「芸術文化学」の高度な専門性を身に付けることを目指しています。
 そのために、アート・デザインを基盤とした上で、芸術文化領域のプランニング・マネジメント・ミュゼオロジーを主軸として、下記の専門領域を中心に、それらを越境する学際的な観点から、理論と実践を通じて領域横断的に学修・研究します。

【主な専門領域(50音順)】
アート・マネジメント、アニメーション、印刷文化、ヴィジュアル・コミュニケーション・デザイン、映像デザイン、映像文化、エディトリアル・デザイン、絵画・立体造形、鑑賞教育、近現代美術、キュレーション、空間芸術、空間メディアデザイン、グラフィック・デザイン、視覚文化、装丁、タイポグラフィ、地域文化、デザイン史、デザイン方法論、展示デザイン、美術館教育、美術教育、美術史、文化史、批評、表象文化、プロジェクト・デザイン・マネジメント、ポップカルチャー、編集、メディアの批評的実践

アドミッション・ポリシー

 探求すべき自己の研究テーマと、芸術文化に関する基礎的な専門性、社会に対する多様な関心を持ち、主体的な行動力によって専門性を高め研究を推進しようとする意欲のある志願者を求めます。
 主に、芸術文化領域において実践と理論の両面を重視する、学術研究者、学芸員・キュレーター(教育普及担当者・エデュケーターを含む)、教育者、批評家、出版編集者、プロデューサー・ディレクター、コンサルタント、起業家、企業・行政・NPOスタッフ、アーティスト・デザイナー・クリエイターなど、修了後に芸術文化を社会で活かせる担い手を希望する人材を歓迎します。

カリキュラム・ポリシー

 本コースのカリキュラムでは、まず、芸術文化の現代の社会における多面的な状況と課題や可能性について、歴史的な観点を踏まえて把握するとともに、プランニング・マネジメント・ミュゼオロジーおよび芸術文化研究の多様な実践事例と手法の知見を深めることを目指します。その上で、調査・考察と論文執筆のための専門的な研究方法について学び、加えて、定期的な研究プレゼンテーションによって社会発信の意識を獲得します。
 1年次は、前期・後期で、「芸術文化政策演習Ⅰ」と「芸術文化政策特論Ⅰ」で、幅広く多様な芸術文化の社会活用について講義・演習によって学ぶとともに、後期の「芸術文化政策演習Ⅰ」では、テキスト講読・論文執筆演習を実施してプレ修士論文提出により研究のための知識と方法論を学びます。
 2年次は、「芸術文化政策特論Ⅱ」でより専門的な芸術文化の社会活用の事例研究を講義で学び、「芸術文化政策演習Ⅱ」で各自の研究指導を演習で行って、研究成果を文字数40,000字以上の修士論文にまとめます。また、修了展で展示するための概要パネルも作成することで、効果的な発信の手法を実践的に身につけます。

ディプロマ・ポリシー

 本コースでは以下のような学生に学位を与え、修了認定をします。
〇プランニング・マネジメント・ミュゼオロジーの複合的な方法論と、芸術文化についての広範な知見をもとにした、芸術文化の社会活用に対する高い批評性を持った視点を獲得している。
〇芸術文化領域における学際的な観点と、理論・実践の両面を重視した越境的な方法によって、芸術文化の社会との関係性を踏まえた課題意識に立脚した、独自性のある研究と論理的な論文執筆を遂行できる。
〇自己の研究成果の社会的な意義を客観的に把握して、適切な発信と実践への活用を実現するための知識・能力を身につけている。

MUSABI 100武蔵野美術大学 旅するムサビプロジェクトカルチャーパワー