モノやヒト、コトに関わる喜び
学芸員/浜崎加織さん

HAMASAKI

浜崎加織
HAMASAKI Kaori

2002年度卒業
東京都庭園美術館 学芸員

 私は芸術文化学科の一期生でした。学科がはじまったばかりで、当時は先生も学生もみな手探りで自分の将来を見出そうとする熱気に包まれていました。何者でもない私が何者かになっていく、そんな自由と不安の入り混じった雰囲気のなかで、多くの人と出会ったことが今の私の原点となりました。
 学芸員の仕事には、企画、展示、調査研究はもちろんのこと、イベント、広報、作品管理など展覧会にまつわるさまざまな仕事があります。それに加えて東京都庭園美術館には、国の重要文化財であるアール・デコ様式の旧朝香宮邸を守り、その建築が持っている歴史の手触りを後世に伝えていくという重要な使命があります。文化財である建物を保護しながら展覧会を実現するには、さまざまな人と事前に入念な調整をしなければなりません。それら人と関わることの喜びを最初に学んだのは、芸文で過ごした学生時代だったと思います。人にはそれぞれの喜びがありますが、ぜひ芸文で喜びの在処を見つけ出してください。

「20世紀のポスター[タイポグラフィ]」展(2011年1月29日-3月27日) 展示風景

「20世紀のポスター[タイポグラフィ]」展(2011年1月29日-3月27日) 展示風景


『アール・デコ建築意匠 朝香宮邸の美と技法』(2014年)

『アール・デコ建築意匠 朝香宮邸の美と技法』(2014年)


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