羽村市生涯学習センターゆとろぎ 展示コーナー「ゆとろぎ美術園ームサビ芸文 アートの日常実験室ー」


羽村市生涯学習センターゆとろぎ 展示コーナー「ゆとろぎ美術園―ムサビ芸文 アートの日常実験室-」概要

武蔵野美術⼤学(ムサビ)芸術⽂化学科(芸⽂)では、2020年度からアーツプロジェクト「羽村ゆとろぎアーツプロジェクト」を共催している羽村市生涯学習センターゆとろぎと連携し、⽻村市⺠のみなさんが、気軽に芸術⽂化やアートを楽しめる不定期開催の⼩さな展⽰コーナーを、2021 年11 ⽉からゆとろぎ館内に試験的に設置しました。ゆるやかに展示品(作品、資料、パネルなど)や、展示企画を入れ替えながら、いつでもアートをはじめとした幅広い芸術文化に触れられる機会を提供します。
「美術園」は、⽇常を⼤きく変える美術館とはすこしちがって、動物園で動物を見たり触れたりするように、ふとした瞬間のアートとの出会いを、みんなが⾃由に体験できることを⽬指しています。時には館内のさまざまな場所で展⽰を⾏います。このコーナーでは、芸⽂の学⽣や教員のアート・デザイン作品や、芸術⽂化に関わる活動・実践や研究の成果、美術⼤学や学科の様⼦などを紹介します。
この場は、私たちの社会・⽣活・⽂化をめぐって、アートの⽅法や考え⽅を活⽤してさまざまなことを試すことができる、⽇常のなかの⾃由な「実験室」です。⾃由や多様性を持つアートのなかでは、だれもがあらゆる試⾏錯誤を⾏えます。ここでお⾒せする作品や活動・研究成果には、そのような「まずはやってみよう︕」「こんなことおもしろいんじゃない︖」という「実験」のようすや結果があらわれています。それを通じて、⽻村の⽇常に対する新たなわくわくするような視点を提案することを⽬指しています。アートの⼒で、いつもの⽇常の⽻村の街の⾵景が、ちょっとしたことで豊かに変わる可能性があります。
2021年度の活動は、主に芸⽂の春原ゼミの学⽣・教員が企画・運営します。

担当教員:春原史寛准教授

第1回展示企画「羽村堰と玉川上水のいろいろな楽しみ方―古い絵はがきのメッセージから―」

展示概要

会場:羽村市生涯学習センターゆとろぎ 1階ロビー 
 (東京都羽村市緑ヶ丘1丁目11番地5) https://www.city.hamura.tokyo.jp/0000002093.html
アクセス:JR羽村駅・東口から徒歩約8分
会期:2021年11月16日(火)~12月19日(日) ※会期終了日は予定です。延長される場合があります。
時間:ゆとろぎの開館中[午前9時~午後10時]はいつでもご覧いただけます。観覧無料。
休館:月曜日(ただし、月曜日と祝日が重なった場合は開館)、年末年始(12月29日~31日、1月1日~3日)
主催:羽村市生涯学習センターゆとろぎ
協力:武蔵野美術大学芸術文化学科研究室
企画担当:春原史寛(武蔵野美術大学芸術文化学科准教授)


展示内容

今回の美術園では、明治時代の古い羽村堰や玉川上水の絵はがき6枚と、そこに書かれたメッセージを紹介します。
羽村堰は東京の人たち飲料水にとって大事な存在であり、その風景は多くの絵はがきに残されてきました。
はがきや絵はがきが、まだ目新しく重要な通信手段だった時期のものです。展示している絵はがきの切手のねだんは1銭5厘ですが、現在の価値でいえば200円程度でしょう。
そして、その絵はがきには当時の人たちの生活や仕事についてのだれかに宛てたメッセージが残っています。その言葉は、その人々が、羽村堰や玉川上水にどのようにかかわっていたのかを私たちに教えてくれます。
今回紹介する絵はがきのうちの③枚は、東京水道羽村派出所の職員が、当時の東京市の助役に宛てて、羽村堰や玉川上水の様子を報告するものであると推測されます。そこには、東京市民の飲料水が、まずはここから生まれるということをしっかりと伝えるような記述がみられます。
現在の風景との違いや、変わらないその役割についての当時の人たちの言葉を楽しんでみてください。
※展示資料はすべて個人蔵です。

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