博物館学芸員資格の取得
美術館や博物館の学芸員になるための専門的な学び
芸文のアドバンテージ:学芸員資格と教員免許の同時取得が可能
芸術文化学科では希望者は学芸員資格を取得することができます。
また、資格取得希望者以外の学生にとっても、芸術文化と社会をつなぐ場であるミュージアムについての学びは重要な意義を持ちます。
学芸員は、美術館・博物館などのミュージアムで高い専門性が求められる業務に従事する職員です。その職業のための資格が、国家資格である博物館学芸員資格です。
「ミュゼオロジー」(博物館学)をカリキュラムの重要の3つの領域のひとつに位置付ける芸術文化学科において、独自に開講するミュゼオロジーの授業は学芸員資格の取得に必要な科目として設定されており、卒業に必要な単位に含まれています。
そのため、在学中に、芸術文化学科で学芸員資格を取得しつつ、大学で開講されている教職課程を受講することができ、教員免許も同時に取得しやすくなっています。また、余裕がある分でミュゼオロジー以外の学びにも幅広く触れることができます。
芸術文化学科の場合
芸術文化学科では、通常なら卒業に必要な単位(124単位)の外にあった学芸員課程19単位分すべてを学科内の専門科目で置き換えられます。
トータル124単位
一般的な学芸員課程履修の場合
武蔵野美術大学の場合、学芸員科目の合計が19単位になるので、芸文以外の学生の卒業必要単位は143単位になります。
トータル143単位が必要
芸文のミュゼオロジーのカリキュラム
美術大学ならではの学芸員の学びに適した環境
ミュゼオロジーとは、ミュージアム=博物館や美術館について学ぶ学問で、その主要な役割・機能である「収集」「保存」「調査・研究」「教育・展示」を、学芸員やミュージアムに関する業務の経験のある教員のもとで、理論・実践の両面から総合的に学びます。
1年次に「ミュゼオロジー入門」「ミュゼオロジーと生涯学習」で、ミュージアムという施設・システム・思想の概要と可能性、生涯学習・教育の機能を知り、2年次以降は、人とミュージアムをつなぐ教育普及活動や、現役のアーティストに指導を受けながらの展示、さまざまなモノの保存や資料論、ミュージアムの経営論、情報論などについてより深く専門的に学びます。それらに並行して、美術史や民俗学などの知見を身につけます。ミュゼオロジーの締めくくりとなる4年次の「ミュゼオロジー実習II」(館園実習)では、各論を総合し、学芸員の実務を体験する総仕上げの実習を行います。この実習では、芸文と武蔵野美術大学美術館・図書館が共同で開発したカリキュラムを受講できます。
美術大学という環境は、学芸員が関わるようなアーティストやクリエイターが多数いて、大学美術館・図書館・民俗資料室を活用した実践的な学芸員の学びが可能であり、充実した学芸員資格取得のための経験ができる場所といえます。
なお、条件がありますが、学生自身が学外の実習先を探して交渉することで、全国各地のミュージアムでの実習の受講も可能です。ただし、2・3年次編入生や大学院生(科目等履修生としてミュゼオロジー課程を受講)は、限られた年限ですべての授業を履修しなければならない関係上、実習先は原則として武蔵野美術大学美術館・図書館となります。
動画「20分でわかる芸文『ミュゼオロジー』」
芸文のミュゼオロジーの授業科目
山口奈々子
YAMAGUCHI Nanako
平成27年度卒業生
学芸員課程を履修して
わたしは、美術館での教育普及活動について、特に強い関心を抱いています。2年次で履修した「ミュゼオロジーと教育」で、先生がこれまでに行ってきた美術館での活動についての講義を聞いたり、また、年齢に関係なく、イベントの参加者が作品を楽しむ様子を写真でみて以来、自分もこんな面白いこと仕掛けたい、と思うようになったのがきっかけでした。
一口に学芸員といっても、展覧会を企画するだけでなく、教育や広報、美術作品の保存など、 さまざまな業務を横断する職業です。その多様さのなかで、自分はどんなことができるか? ということを、様々な先生たちの講義を受けながら、常に考えていました。
「ミュゼオロジー実習」では、学内の美術館で、普段は見ることのできない展示風景がみれたり、収蔵品の扱いも丁寧に教えてもらえます。そして何より、美術大学という、まさに美術に囲まれた環境で、その扱い方を学べるということは、学芸員を目指す学生にとって、とても恵まれていたなあ、と思います。