CANON LENS EF24-70mm F2.8 L USM

2002年にCANONから発売された大口径・標準ズームの代表格となる高性能レンズです。 発売から16年経ちますが未だに現役で使われています。今回は長年愛されるこのレンズについて紹介していこうと思います。

レトロフォーカス

このレンズの特徴は"レトロフォーカス"という、望遠レンズとは違った特殊な構造を持っている所です。望遠レンズとは違い前面に凹レンズ、後面に凸レンズが入っています。 そのため、レンズをズームするとレンズが短くなり、レンズを広角にすると長くなるようになっています。
それではレンズのズームリングを動かしたときの違いを映像で確認してみましょう。

カメラを普段触らない人からすれば少しびっくりしたかもしれません。レトロフォーカスの特徴として、従来タイプのモノよりもレンズの長さが長いという特徴があります。そのためレンズの枚数を増やしやすいのです。
レンズには"収差"と言うものがあり、それレンズの枚数が少ないほど"収差"が生まれます。レンズ枚数が少ないと撮影した写真の像が歪んでしまったり、色がずれてしまうなど、実際に肉眼で見ることができる差ができてしまいます。
そのためレンズの枚数が多いほど再現度が高くなります。このレンズには13群16枚のレンズが搭載されています。

重厚なデザイン

このレンズが愛される理由は何と言っても、レンズの重厚なデザイン性でしょう。近年のレンズは携帯性やに優れ軽量化されるものも増えていますが、CANONのLレンズは比較的重量があります。その理由はどんな過酷な状況化にあっても優れた、写真・映像表現ができるように、特殊光学材料を採用しているからです。
またこのレンズは防塵・防滴仕様かつ優れた耐久性を持っています。発売から16年経った今でも使い続けられる理由にはCANONの惜しまない努力が反映されています。

前述した通りこのレンズは近年の軽量化や携帯性の強化をされているものとは違い、しっかりとした作りになっているため、950gもの重量があります。
"950g"と聞いてピンと来る方はあまりいないと思います。そこで、このレンズがどのくらいの重量なのか、身の回りにあるものを比較例にリスト化してみました。少しでもこのレンズの重量感を体験して頂ければと思います。

モノ 重さ
24-70mm F2.8レンズ 950g
電話帳 1100g
牛乳1㍑ 1000g
週刊漫画雑誌 700g
ペットボトル500ml 500g

レンズを比較する

現在紹介している『CANON LENS EF24-70mm F2.8 L USM』と他のレンズで同じ場面を撮影した場合、どのような違いがあるのかについて検証してみました。(写真はクリックで拡大します)

camera-10 EF24-70mm f/2.8L USM / F4.0 1/100 ISO160 24mmで撮影
camera-12 Tokina AT-X 12-28 F4 PRO DX / F4.0 1/100 ISO160 24mmで撮影
これはTokina社からリリースされているTokina AT-X 12-28 F4 PRO DXの広角ズームレンズと比べた写真になります。はっきりとした違いが出る部分は写真の遠近感です。ふたつの写真を見比べてみると、広角ズームレンズで撮影した方がより、広く写っていると思います。
また広角ズームレンズの特徴として、被写体が奥にあってもピンとが合いやすいという特徴があります。
camera-11 EF24-70mm f/2.8L USM / F4.0 1/100 ISO160 30mmで撮影
camera-13 SIGMA Art 30mm F1.4 DC HSM / F4.0 1/100 ISO160 30mmで撮影
これはSIGMA社からリリースされているSIGMA Art 30mm F1.4 DC HSMの単焦点レンズと比べた写真になります。単焦点レンズはレンズはズームレンズと違い明るい事が特徴です。この2枚の写真は同じF値で撮影していますが、よく見てみると、画像の繊細さや、コントラスト、発色など、単純な明るさだけでなく、総合的な光の違いが見えてくると思います。
camera-14 EF24-70mm f/2.8L USM / F4.0 1/100 ISO160 70mmで撮影
camera-16 EF70-200mm f/4L IS USM/ F4.0 1/100 ISO160 70mmで撮影
これは同じCanonからリリースされているEF70-200mm f/4L IS USMという望遠ズームレンズと比べた写真になります。標準ズームレンズと望遠レンズの明確な違いは撮影できる範囲(角度)にあります。写真を見比べてみると望遠レンズで撮影したほうの写真の範囲が狭いことがわかります。
また、望遠レンズで撮影した方の赤い椅子の方が少し大きく写っていることがわかります。

Masaki Kitahara / 3-C-6