スプーンは人間の生活道具の最小単位です。
曲がった形状に気づくことで、日常の些細な発見をします。
素材の違いから、作り手の意図を超えた新たな使い方も生まれ、
スプーンから多様な可能性を探求できます。
私たちは、西荻窪の暮らしをすくいとり、味わう作品を展示します。
The spoon, one of the smallest units in daily life,
reveals subtle discoveries through its gentle curves.
The differences in materials give rise to new uses beyond the maker’s original intent,
inviting us to explore endless possibilities.
We aim to capture and savor the essence of everyday life in Nishi-Ogikubo,
like a spoon cradling a moment in time.
Sasaki Seminar
Department of Art, Culture and Design Studies,
Musashino Art University
□作品設置場所:
※地図上のピンをクリックすると作品情報をご覧いただけます
西荻窪のとある交差点を通ると、ふと目に留まる紙袋。逆さまに置かれたその姿は、単に商品を運ぶための商業的なものから脱して、自然の中に溶け込んでいる。よく見ると、実は紙ではなく木材でできている。袋の底には小石、花びら、落ち葉が溜まり、風化や摩耗のプロセスを通じて、そこに自然の痕跡が確認できる。運ばれるものたちがその空間に新しい景観を創出し、まるで小さなコミュニティが育まれていく様子を感じさせる。この街では、個人商店が集まり、独自の商売を営むことで、互いに支え合う環境が生まれている。人々が集まることで、新しい価値観や文化が育まれ、紙袋の底に集まる様々なものたちがその証となっている。
知らない誰かへ、友人へ、家族へ。箱の中での物々交換を通して、さまざまな人とやりとりをする小さな交流の場。西荻窪では、たくさんの雑貨屋さんがあったり、「ご自由にどうぞ」の箱をよく見かけたりする。日常における「もの」と人との関わりが密接に感じられた。物々交換は同じ価値のものを交換していくが、人によってそのものにどんな想いや価値があるのかはきっと異なる。箱の中にあるものからしりとりをしたり、連想された「もの」を入れてみたりして、ものや自分との関わりを見つめつつ、次の人へつないでほしい。
お茶碗を持ってご飯を食べるという行為は、日本人がお膳でご飯を食べていた時代のなごりとされる。綺麗に食べる行為は、相手への敬意の表れとされるなど、こうしたマナーの発祥を知る際には、発見の機会と相手への思いやりが大事になる。様々な国の食事を楽しむことができる西荻窪では、皆様にその地域のマナーを知っていただくことで"思いやり"をお支払いいただき、領収した証としてレシートを発行いたします!
⻄荻窪に点在する様々な過去の情景に「つぎあて」をして、 その情景を取り囲む今との関係性を再構築する。 地域の人、また外から訪れた人に、現在の⻄荻窪という街の在り方を 肯定的に認識、捉え直すお手伝いができればと考えている。
ライブペインティング日時:
・11月8日(金)17:30-18:30 ※予定変更により11/13,11/20のみ実施予定です
・11月13日(水)12:00-13:00
・11月20日(水)15:00-16:00
まるでスプーンが曲がっている現状を気づくような感覚を挙げたい。私たちが日々目にしている日常の風景を切り取り、目で、見える視点を違うかたちで見立てるメディアとして、観る人が街中のの些細な瞬間やポイントにも新たな視点を見つけてもらえればと思う。普段は見過ごしてしまいがちな通りの小さな角やカフェの窓辺と植物の姿にこそ、私たちの日常を支えるさりげない豊かさがある。その中に潜む魅力や瞬間を自分の視点で新たな街中の標識として表現したものである。何気ない風景が映し出す光と影、かたちの微妙な変化、そこに生きる人々の動きや日常の空気をもう一度、再発見するきっかけとなるでしょう。
ライブペインティング日時:
・11月9日(土)14:30-16:00
・11月19日(火)16:30-18:00
・11月22日(金)16:30-18:00
西荻窪駅の改札付近に設置されているゴミ箱の中のゴミをふと見た時、なんと悲しき集合体なのだろうと思った。ヒエラルキー上、人間はゴミよりもはるか上位の存在であり、捨てたゴミのことなど記憶の片隅にもとどめて置かないだろう。しかし、中にはゴミ箱にすら捨ててもらえずに遺棄されたゴミたちが世には存在する。本来の還るべき場所にすら捨てられず、一期一会の縁を無碍に扱われた悲しきゴミたちの生きた証を、記録としてこの地に残す。
西荻窪の家屋は高低差があるものの高さは全体的に低い、そして隙間が数多く存在する。 ボリュームから生まれる反りと張りから生まれる緊張感は一コマ先の跳躍への期待感を生み出す。そしてその反りと張りは建物と建物が支点になることで生み出され、関係性をもたらす。跳躍への期待を込めて。
展示日時:
・風速2メートル以下の時に設置
外壁にビー玉を埋め込んでみたり、店先に手書きのポップを置いてみたり、街の人々が普段何気なくしている生活のひと工夫。その工夫が積み重なって西荻窪の街を形作ってきた。住む人たちのひと手間で、街に味が出ている。木材を彫り出すひと工夫と街のひと工夫を重ね合わせて、目指したのは生活に溶け込む形。
30年後の西荻に住んでいる少女が使っていた棚。当時はピカピカで綺麗な棚だった。西荻窪という場所での生活から色々な記憶が入りこみ使ううちに姿を変えた。何気ない普通の人の普通のもの。ここにはそんな未来の何でもないものも集まる。色んな文化・時代が色々入り混じる街。
拾った音から西荻窪の街を観る。街をつくる文化や人的行動はその場所の心地を表す。それは視覚的情報に限らず、人の歩く足音や交通音、会話など、そこにあるものそれぞれ独自の音を放って生まれる。竹筒から聞こえる音は左右の極端なところに集中し、筒の出入り口に近づくほど鮮明な反響音を採集する。たとえば、横切るバスの走行音は耳の近い方から遠い方へ筒の中をまっすぐ通過する。蛇口を流れる水に耳を近づければ、表面に跳ねる音が深く遠くに伸びた響きに変わる。竹筒を通って耳に記録される音は、日常から切り離されてしまいがちの、本来街に在る音を鮮明に強調し、街をつくっている。
パフォーマンス日時:
・11月8日(金)12:00-14:00
・11月9日(土)14:30-16:00
・11月11日(月)14:30-16:00
・11月15日(金)12:00-14:00
花札は「花カルタ」として西洋のトランプの影響を受け誕 生した。ただし日本独自の遊戯として発展する中で記号ではなく、桜・梅・松などの自然の植物を背景とし、鳳凰・ 盃・短冊などの動物や日用品が描かれるようになった。西荻窪の地域住民にとって当たり前となった風景を札の絵柄や役に用いることで、地 元の再発見や情報交換のきっかけになることを狙いたい。
特別協力:
atelièreアトリエール、善福寺珈琲 江ノ屋、大洋興業株式会社、たまめし食堂、南仏ワイン Bistro Ragoûtラグー、三井クリーニング、もりのこと、RecycleGallery NEWS西荻店、
主催:
トロールの森実行委員会
後援:
東京都東部公園緑地事務所、杉並区、杉並区教育委員会
協力:
都立善福寺公園/杉並区立桃四コミュニティスクール/関東バス株式会社/JR西荻窪駅/Daily Table KINOKUNIYA 西荻窪駅店/遊工房アートスペース/ゆうゆう善福寺館/中央線あるあるプロジェクト
国際野外芸術祭トロールの森2024
日時:2024.11.3 [Sun.]-11.23 [Sat.]
展示会場:西荻北エリアに点在展示