音楽イベント、音楽芸術祭への支援 2010年 福井賀将 (24歳)
今回、私が提案するのは公的な音楽イベントを含めた芸術祭の運営の際に国(政府)が資金を援助する事です。
例えば海外ではオーストリアのArs Electronica (http://www.aec.at/index_de.php)や、スペインのSonar (http://2010.sonar.es/es/)など国が全額援助したり、日本では敬遠されがちなクラブで行われているようなパーティーをメディア芸術祭やアートフェスティバルの中の一環プログラムとして組み込んでいるArt Festivalがあります。
日本で巨大な音楽イベントは多数存在しますが、ほとんどが企画運営をスポンサーによる出資をもとにした形で民間の会社が行っています。また、現代アート展に近年はサウンド系インスタレーションなどが見られるようになったものの、アートの展示やメディアアートの発表の場に音楽イベントを絡めたイベントは未だ存在しないと言ってよいでしょう。
日本の音楽イベントは音楽だけに特化し、ある意味自己満足的に行われていて、一部を除くすべてのイベントにおいて20歳未満は入れません。お酒とタバコの販売、オールナイトでの開催だからでしょうか。地域が協賛についているイベントも多数ありますが、あくまで人員的な協力と場所的な協力であって金銭面でのサポートはないのが現状です。
これらのイベントはミュージシャンやサウンドクリエーター、DJなどの活動においてとても重要な場であり、コミュニティです。こうしたコミュニティを幅広い年齢層と共有できるようにするには、やはりデイタイムでの開催、そして海外のフェスティバルのようにメディアアートとコラボレーションさせる事で、より親しみ易い場を作る必要性があると私は考えます。
その事を踏まえた上で、さらに若手育成のためのワークショップを国(政府)の援助のもとに開催する事も提案します。メディア系のアートは、美大、芸大に通う学生以外の人間でも誰でもが自宅のコンピュータなどを活用しながら、クリエイトできる領域ともいえます。
しかし、技術的な面では国からのサポートがあまりにも弱いと感じています。例えば音楽祭においてきちんとしたブースを設け、この技術のおかげでこれらの作品が生まれた、などと製作の裏側を見せる事で各々の製作におけるレンジを拡張させます。商品を売ろうとする目的ではなく、次世代のアーティスト育成を目的として企業に協力してもらうのです。
そうした事により、今までは操作方法が分からなかったDTM系ソフトウェアやハードソフトに、より親しみを感じ、誰もが気軽に製作を始められるようになります。”つくらせる”事に対して盲目的でなく、もっと様々な人間に対して創造力の拡大を目的としたワークショップを開催したらどうでしょうか。アーティストにとって一番大切なコミュニケイトできる場を国がもっと応援し提供するなどの支援によって、メディア系の領域で日本が海外と、まったくもって闘えない国となってしまうのを回避すべきだと思います。ぜひともこの事に関して考える時間を設けてくれればと思います