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若者の声 政府への手紙 / Voice of the young letters to government









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日本アニメ・マンガ振興策への提案 2010年 中村友美(22)

現在ある建物を活用したアニメの殿堂

昨年設立が撤回されたアニメの殿堂「国立メディア芸術総合センター」は「どのような資料や作品をどのような選考基準で整備対象とするか」や「センターの展示物、作品収集等に関わる予算はどの程度か」という詳細は未定のまま、アニメ振興の為の「ハコモノ」を設立するという「形」だけが先行し、事業内容が具体的でないことも原因の1つとなり、予算執行停止という結果を招いた。日本は支援・振興というとどうしても新しい建物を建てることで解決してしまいがちだが、これでは根本的な作品収集やアニメーターの教育・育成にかけられる予算はその分減り、見せかけだけの支援・振興策になってしまいかねない。
そこで提案したいのは、現在ある建物を利用したアニメの殿堂である。例えば、都内の廃校となった学校をリペアし、そこをセンターとする。こうして建築にかける予算が減れば、浮いた資金をアニメーターの育成や有能なアニメ―ターへの補助金などに回すことも可能となり、あくまで内容を重視した振興策としてのセンター作りである事をアピールする事になる。

2.日本アニメ・マンガの海外発信策
 日本の国内人口は今後減少していくことが明白であり、コンテンツ産業が成長していくとすればその源泉は海外にしかない。しかし、日本アニメ・マンガはこれまで内需に依存した成長を続けてきた為、海外でのビジネス展開が不足し、外との関係が閉ざされ、コンテンツの潜在的な価値の高さを海外市場の拡大に活かせていない。
 そこで、1で示した上記のセンターを設立する際、「アーカイブ」と「基礎研究」を重視した機関を設置。そこへ行けば、日本アニメ・マンガの歴史が理解できるだけでなく、歴史に残る著名な作品は全て手に取って読めるようにする。さらに、アニメ・マンガのストーリー研究、キャラクター研究、海外へ発信する為に必要となるマネジメント研究などの基礎研究を行う機関を設け、現在最も不十分だと言われている海外スタッフと対等に交渉できる人材、日本アニメ・マンガの諸要素を把握し、これを「海外へと上陸できるようプロデュースするエージェント」を配置。日本アニメ・マンガの質の向上と海外発信策の強化を図る。

3.ア二メーターの為の支援・振興策
優秀なアニメ―ターが高齢化し、ア二メーターを志望する若者が減ってきているという事実も現在日本アニメ・マンガ業界が危惧すべき問題の1つである。マンガやアニメは底辺で働く低賃金の若者を必要とするが、報酬が安く、修行時代が厳しいことから遊離していくという例が多いようであり、これは、アニメの実作業が中国・アジアへと移転し、アニメへのニーズがあっても、日本アニメ・マンガ製作の底辺となる作業者が日本から減少し、製造工程が弱体化していくことを意味する。
日本ではア二メ製作の際、国ではなく民間が中心となって支援が行われているが、ビジネスが衰退すれば企業は大きなリスクを抱えることとなり、欧米などの海外と比較すると資金投資者はあまりに少なく、それが低予算のアニメ作り、低賃金な報酬へと繋がり、アニメーターの首を絞める元となっている。その為、「民間企業でアニメ・マンガに関する支援を行う事があった場合、その負担金の数十%は政府が保障する」などの補助的な取り決めが必要であり、広告業者・テレビ業界などによる中間搾取を制限することも不可欠である。

卒業論文:「不完全さの魅力〜新世紀エヴァンゲリオンに見る現代日本人〜」2010年度提出より

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