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若者の声 政府への手紙 / Voice of the young letters to government









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ストリートダンスの練習の場の提供 2010年 渡辺ゆかり(22歳)

ダンスといっても様々なダンスがある。伝統舞踊から始まりバレエ、社交ダンス…あげていっても切りがないくらいある。その中で、協会や団体やライセンスがないのはストリートダンスぐらいだろう。)

確かにストリートダンスの歴史は短く、大体1970年頃から始まっている。そしてストリートというくらいだから路上で行なわれていたので、ライセンスなんかは必要ではなかったのかもしれない。したがって、コンテストでの優勝経験や大物のバックダンスをしたという事ぐらいが箔になる世界である。)

現在急激にストリートダンスをする人口が増えてきた。他に生業をもつ多くのダンサー達の練習時間はおもに夜中で、季節に関わらず外で練習している事が多く、閉店後の店先のガラスを鏡代わりに夜な夜な練習をする。お金さえあれば深夜の安いレンタルスタジオを借りることが出来るが、ともかく馬鹿にならない金額なのだ。)

ストリートダンスだから路上で練習するのだが、近隣から苦情を言われたり、警察が来たり、そんなことは当たり前の中でみんなやっている。その中のほんの一握りの人たちがダンスに関わることで収入を得られるようになる。ダンスで収入を得る事が出来るものといえば、インストラクター、バックダンサー、ショウダンサー、コレオグラファー、そしてその先はだいたいスタジオ経営者になる流れが出来上がっているのが現状だ。しかし、どれも多くの収入は見込めない。)

最近では海外でも活躍する日本人ダンサーが増えてきた。マイケル・ジャクソンとマドンナが取り合ったダンサーも日本人だ。しかしこれは、日本という土壌では可能性があまりないから海外へ行ったという理由によっている。ダンスビジネスは日本より海外(主にアメリカで)機能しているし、毎日のようにオーディションが行なわれている。)

ダンスで生活していくという事は確かにどこの国であろうが難しいが、日本よりはるかにチャンスはある。もっと練習する場所が多く提供されれば、日本の状況もずっとよくなる。現在、多くのストリートダンサー達は都内だと、新宿の西口にある損保ジャパンビルや中野のゼロホールの建物の外壁を使って、その周りの空いているスペースで練習する。)

多くのダンサー達が集まるこういった場所はだいたいその会社から許可が出ている事が多いのだが、通常は許可が出ない事の方が多い。屋内の安価な練習場が増えるのが一番理想的だが、屋外でも許可された練習場をぜひ増やして欲しい。夜の練習が多いために人が多いところで練習していれば、安全性の面からいっても事件など危険からの回避を高められるためだ。)

そして人が集まるところで練習すればそこでのコミュニティーができダンサー達の更なるスキルアップも期待できる。行政で新しく建築をつくる、または改築などをするときにまわりの壁を鏡でなくても反射しやすいガラスを使用していただき、練習場所として許可して欲しい。ただそれだけで充分な練習スペースが出来上がる。)

以前に比べればストリートダンスはメジャーになり健全なものになっている。近いうちにダンスビジネスは日本でももっと盛んになるだろう。そのためには日本人のストリートダンサー達のスキルの底上げが必要である。表現の幅を持ったすぐれた身体表現は芸術であり、そうした夢にかけて、日々努力する人達にもっと可能性とチャンスの機会を与えて欲し。)

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