コメント
「?」である。捉えどころがイマイチわからない。一言で言ってしまえば、奇妙奇天烈。歌なんか夢に出てきそうだ。確信犯なのだろうか。うーん、わからない。そう考え悩ませることさえ、確信犯的なのかもしれない。そんな捉えどころのない田尾創樹という人の中にただ一つ、インタビューを通して私が捉えたイメージがある。それは「少年」だ。尻の青いガキ。いつも何か面白いことがないかと、そこら中を探しまわっている。そして見つけてしまうと、もうやらずにはいられない、創らずにはいられない。止まらない興奮。漲るパワー。ガキです、心が。
田尾少年、もしくはオカメハチモク少年は、様々な表現、名前を操り、自分の周りにある小さく愛おしい世界を縦横無尽に駆け巡ってみせる。しっかり先を見据えて走っているのか、それともただ気持ちいいなあーと思って走っているのか。うーん、やっぱりわからない。ただひとつわかっているのは、悪ガキのようなヘタクソな笑顔を浮かべて走っているということだ。そしてもうひとつだけわかっているのは、彼の作品に触れていると、なんとも言いようのない温かみのある幸福感見舞われるということだ。田尾少年の作品を「小難しいことばかり考えてないで好き放題やっちゃおうぜ、下手でも未完成でも関係ないでしょ」というステイトメントだと、私は感じた。田尾創樹の目に、次は何が映るのだろうか。次は何が、田尾創樹の目を奪うのだろうか。青春の旅はいつまで続くのだろうか。やっぱり、あの歌が夢に出てきそうだ。
(岡本裕司)