データ
岡本太郎記念館(財団法人 岡本太郎記念現代芸術振興財団)
●住所
〒107-0062 東京都港区南青山6丁目1番19号
Tel. 03-3406-0801
Fax. 03-3409-5404
E-mail: museum@taro-okamoto.or.jp
URL:http://taro-okamoto.or.jp/
営団地下鉄銀座線・千代田線・半蔵門線表参道駅より徒歩8分
都営バス(渋88甲系統)新橋駅北口行・渋谷駅行南青山六丁目下車徒歩2分
10:00-18:00(入館は17:30まで)
※火・年末年始(12/28-1/4)及び保守点検日休館(※祝日の場合は開館)
●財団設立までの経緯、沿革
1988年 | 財団設立のため寄付行為及び準備委員会規約等作成、公証人役場にて認証を受ける。 |
1990年 | 東京都教育庁に設立申請の事前協議を開始する。 |
1996年1月7日 | 岡本太郎氏逝去。 |
1996年 | 岡本太郎と語る広場(お別れ会)開催の機会に関係者が集い個人の遺志を継いで財団設立 のための業務を続行することを申し合わせる。 |
1996年 | 文化庁との事前協議を開始する。 |
1996年 | 文化庁に財団設立申請書を提出。 |
1996年 | 設立発起人会を開催。 |
1996年 | 文部大臣より財団設立が許可される。 |
1998年4月7日 | 記念館竣工。 |
1998年5月 | 記念館公開。 |
2005年4月20日 | 岡本敏子氏、79歳で急逝。 |
●建物
設計:坂倉準三
床面積:約50?
本記念館は1996年に84歳で亡くなるまで、岡本太郎氏が1953年から50年近くアトリエ兼住居として生活した空間である。戦前、まだここの住所が青山高樹町三番地であった頃の旧居は戦災によって焼失。焼け跡だったこの場所に、以前から親しくしていてその頃ル・コルビュジエの弟子だった坂倉準三氏に岡本氏が設計を頼み、施工された。
地下鉄表参道駅から徒歩8分程度という立地ながら、近辺は比較的静かな住宅地という風情で、そのたたずまいは記念館という言葉から連想する堅いイメージとはかけ離れており、自由で開放的な雰囲気で、来館者を優しく迎えてくれる。ブロックを積んだ壁の上に凸レンズ形の屋根を乗せたユニークな外観。1階から2階にかけては吹き抜けになっており、1階入って右奥のアトリエは生前そのままという感じで、空気に氏の気配が満ちていて圧倒させられる。2階の第2展示室は、毎月1回のペースで催される館長・岡本敏子氏によるミュージアム・トークにも使用され、決して広くはないスペースながら日中は高い天井のガラスや窓から射し込む日の光がとても心地よく、窓際に置かれている椅子に座って作品や庭を眺めていると、ついつい日常の雑事を忘れ、いつまでもここにいたいという気持ちにさせられてしまう。
●方針
優れた文化を創造していくためには、その担い手に優秀な人材を得ることが不可欠である。とりわけ、伝統的・定型的な芸術活動には、様々な場所で色々な組織や機関によって成果発表の機会が設けられ、各種の支援策が講じられているが、新たに誕生した多様な創作活動の分野には、そうした場に恵まれず支援も少ないのが現状である。岡本太郎記念現代芸術振興財団はこうした状況に対し、既成の芸術活動の枠にとらわれず、現代芸術の研究や創作に取組んでいる若手研究家や作家等の活動に対する支援策について検討している。同時に記念館に集う人たちがお互いに触れ合う中で、豊かな感性と創造力が高められるような開かれた場所にする。
●運営形態
法人には、次の役員を置く。
1.理事 7名以上10名以内(うち、理事長1名、常務理事1名)
2.監事 2名
記念館の職員は基本的に、館長、事務局2名、受付・グッズの販売1名の4名からなっている。
●活動内容
本財団は平成8年11月に設立された。岡本太郎の先駆的な芸術創造の精神を継承し、自由な視点で創作活動を行なう現代芸術の振興を目指し取り組みを進めてきた。とりわけ、①現代芸術大賞の実施、②岡本太郎記念館の運営、③岡本太郎講座の開催など、その目的実現のために尽力してきた。
一方、国は平成13年12月7日に「文化芸術振興基本法」を公布し施行した。文化芸術の振興に関する施策の総合的な推進を図ることとし、その施策を実現するために必要な法制上や財政上の措置、またはその他の措置を講じる、としている。
そこで、本財団では、国の文化芸術振興施策の実態把握につとめ、動向を見極めながら、関連機関や関連団体等と連携を密にして、文化発信の拠点としての役割を高め、健全で活力ある財団運営に努めている。
●主な取り組み
○ 現代芸術に関する作家、研究者に対する助成及び顕彰
1.現代芸術の創作活動を行なう作家に対する制作費助成
2.現代芸術に関する各種研究に対する研究費の助成
○ 現代芸術に関する優れた活動に対する顕彰
岡本太郎記念“現代芸術大賞”受賞作品展の開催(川崎市岡本太郎美術館)
○ 岡本太郎記念館の運営
企画展、ミュージアム・トークの実施
○ 国内外の現代芸術に関する調査研究並びに資料収集
昨今は、“岡本太郎ブーム”再来といわれ再評価されている。関係する研究者とも連携して、その要因を明らかにする。また、岡本太郎氏の残された膨大な作品・映像ソフト・資料等の整理を進め、保存や活用方法について検討する。同時に、記念館を訪れた人たちが書き残してくれたメッセージは貴重である。多くの意見や感想等を整理して、今後の財団運営に役立てる。
○ ミュージアム・グッズについての研究と開発
ミュージアム・グッズに関するわが国の現状は、国際的に見ても極めて遅れている。記念館来館者の希望やニーズを把握し、他館の動向などについても調査しながら、ミュージアム・グッズの企画、制作指導、品質管理等を行なって、その質の向上を図る研究を推進し開発に努める。
=訃報=
インタヴューに答えてくださった財団理事長・岡本敏子氏(享年79歳)は2005年4月20日急性心不全のためご逝去されました。生前からのご本人のご意志により、葬儀は行わず、後日お別れの会を行うとのことです。謹んで哀悼の意を表し、ご冥福をお祈り申し上げます。
(聞き取り調査:財団事務局長 清水昇氏 2002年3月 担当:合原理早)
※データ更新:2005年5月