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地元岡山県出身の作家、大田三郎によるワークショップ「Nagi Project 2000」は参加者がアートを深く吸い込んだ様子が感じられるものだった。このワークショップでの収穫(作品)は東京の画廊でも展示され、奈義との距離を縮めてくれる試みであった。
立派な建物に常設展示。どちらも動かしがたいハードな部分だ。ソフト・ミュージアムの必要性が説かれる昨今の美術館にとっては、場所があるからこそ、それゆえの苦しみがある。特に地方美術館は都市からの来館者、ならびにリピーターを如何に確保、獲得していくのか、という現実的な問題も抱えていることだろう。人々との距離を物理的、心的に克服してゆく努力は、これからの美術館運営になくてはならないものとなるだろう。最後に、お忙しいなか原稿のチェックをしてくださった学芸員の岸本さんに感謝の言葉を述べたい。また、本学の美術資料図書館からの資料の問い合わせにも快く応対していただきました。ありがとうございました。
(越村直子)