データ
広島市現代美術館
住所:〒732-0815 広島市南区比治山公園1番1号
tel:082-264-1121 fax:082-264-1198
http://www.hcmca.cf.city.hiroshima.jp/
●沿革
1980年10月 | 広島市文化懇話会提言「広島の文化都市像を求めて」 (現代美術館の建設について提言) |
比治山芸術公園基本計画 (比治山公園に現代美術館の設置を計画) | |
1982年3月 | 比治山芸術公園基本計画 (比治山公園内の現代美術館の配置が示される) |
1983年3月 | 広島市現代美術館建設調査研究報告 (基本概念、基本方針、活動・事業の具体的内容、 建設の具体的内容、管理、運営等について基本構想をまとめる) |
1985年3月 | 広島市現代美術館基本計画 (建設の意義、事業と運営のあり方、施設計画等の各論についてまとめる) |
4月1日 | 教育委員会社会教育部管理課内にスタッフを配置し、 現代美術館開設準備を具体的に開始 |
5〜6月 | 現代美術館建設予定地の地質調査 |
8月 | 広島市現代美術館基本設計 (建物の平面計画、構造計画等をまとめる) |
1986年5月 | 広島市現代美術館新築工事起工式 |
1988年4月 | (財)広島市文化振興事業団内に現代美術館開設準備室設置 |
8月 | 竣工 |
1989年5月 | 開設 |
●建物
構造:鉄筋コンクリート造(一部鉄骨鉄筋コンクリート造)地上2階、地下2階、最高高さ12.925m、深さ14.900m
管理区域面積:約7,500・
建築面積:3,700・
延床面積:9,291・ 展示部門=2,396・(展示室 他)
収蔵部門=1,560・(収蔵庫、修復室 他)
サービス部門=1,045・(図書コーナー、ミュージアムショップ 他)
管理学芸部門=551・(総務、学芸員室他)
その他=3,739・(回廊、機械室他)
工期:1986年10月1日〜1988年8月31日
●仕上概要
外壁: | 御影石張・45角モザイクタイル張・一部アルミパネル張 |
屋根: | アルミパネル張 |
床: | アプローチプラザ他:御影石ジェットバーナー仕上・一部タイル張 |
展示室: | フローリング・ゴムタイル張・タイルカーペット敷 |
その他: | 屋根面トップライト・外壁遮光ルーバー・ ミュージアムスタジオ舞台機構装置・映像・視聴覚設備他 |
●設備概要
電気設備: | 受変電・直流変電・照明・コンセント・放送・テレビ共聴・ITV・ 電話・防犯・報防排煙・時計・インターホン・つりもの設備 |
空調設備: | 空調・中央監視・換気・排煙 |
衛生設備: | 給排水・消火設備・(ハロンガス・スプリンクラ−・屋内消火栓) |
ガス設備 | |
昇降機設備: | 乗用・搬入用エレベータ−・ダムウェーター計5機 |
自家用発電設備: | 6.6KV−300KVA−ディーゼル発電機 |
●設計管理
広島市都市整備局建設部営繕第二課 設備課
(株)黒川紀章建設都市計画事務所
●施工業者
建築: | 清水・大日本土木・松本・錦・大互建設共同企業体 |
電気設備: | 大栄・広島電業建設工事共同企業体 |
空調設備: | 三機・丸八件建設工事共同企業体 |
衛生設備: | 千代田商会 |
ガス設備: | 広島ガス |
昇降機設備: | 三精輸送機 |
自家発電設備: | 明電舎 |
●普及・保管・調査研究施設
ミュージアムスタジオ・ビデオコーナー・図書コーナー・講座室・収蔵庫・修復室・写真撮影室
●管理運営
広島市が財団法人広島市文化財団に運営を委託
●組織
館長、副館長の下に、総務課、学芸課の二つを置き、さらに学芸課には学芸係と普及係の二係を置いている。
館長は、(財)広島市文化財団理事長が兼ね、学芸課長は副館長(学芸担当)が兼ねている。
●美術館建設の理念と収集方針
美術館の基本理念は「広島市現代美術館基本計画」において以下の4点
・ 現代を見つめ、未来への展望をきりひらく美術館
・ 国際的視野を持った美術館
・ 新しい文化創造の核になる美術館
・ 都市の活性化につながる美術館
作品の収集方針
・ 主として第二次世界大戦以降の現代美術の流れを示すのに重要な作品
・ ヒロシマと現代美術の関連を示すのに優れた作品
・ 将来性ある若手作家の優れた作品
の3点を揚げて、国内外の作品の収集に努めている
●事業紹介
広島市現代美術館の4つの理念
・ 幅広い分野からの作品の収集・保存
作品の収集にあたっては、3つの収集方針に沿って各分野の優れた作品を系統的に収集保存。また、同時に従来の美術分野にとらわれず、デザイン・建築などの作品も積極的に収集し、現代美術の総合的な美術館をめざす。
主な収蔵作品として
アンディ・ウォーホル | 「マリリン」(10組のうちの1点) 1967 |
ヘンリー・ムーア | 「アトム・ピース」 1964-65 |
モーリス・ルイス | 「ワイン」 1958 |
ドナルド・ジャッド | 「無題」 1968 |
フランク・ステラ | 「ラッカ1」 1967 |
靉光 | 「静物(魚の頭)」 1941 |
斎藤義重 | 「複合体401ヒロシマ」 1988 |
若林奮 | 「ドーム」 1988 |
・ 多種多様な展示
所蔵品による展示、多様な現代美術の展覧会を身近にし、こころを刺激する企画展覧会を行う。また、映像やパフォーマンスなど、さまざまな表現の可能性を探求する。
広島市現代美術館の自主企画展が1年に2・3本。他は巡回展を扱う。巡回する展覧会は、他の現代美術館と共に企画したものや、その他に企画会社、新聞社と、最初の段階から企画し作り上げていったものを扱う。問題点は、やはり学芸員が少ないことと、他の美術館と企画した場合、予算の計算・配分などが難しい。
・ 活動的な普及活動
現代美術に関する資料、模型、映像、図書など収集。また、講演会、講座、ワークショップなど幅広く企画を行い、美術活動を立体的に行う。
地下1階のスタジオミュージアムでは、学芸員が毎年、注目度の高いアーティストを招待し、パフォーマンスや展覧会、コンサートを企画し、実施している。宮島達男の展覧会は広島市現代美術館でのこの企画における、早い段階のものである。その他に、市民に現代美術の理解を広げるため、近隣の学校の教師などとともに、ワークショップやワークシートを制作するなどの活動もしているが、日本の美術館全体で言えることだが、美術館教育の部門にもっと多くの専門スタッフが必要と言える。
・ 美術館の基盤となる調査研究活動
現代美術に限らず、広く美術に関する総合的な調査、研究を行う。
●美術館利用者について
平成12年度の利用者は約13万人。そのうちの半分が広島市民で、リピーターも多い。現代美術館で利用者の数が10万人を超えるのはなかなか困難。年々減少してきている。
(担当:平林悠紀子)