- ジャンル:
- ●論文/
- ●評論/
- ●作品表現/
- ●プランニング
- ●相曽晴香/実験的記憶装置#1『三方が原 1394.5番地』
- ●大山りみ/場から考える学校教育ー「勉強」と「学び」、「学び」と「遊び」
- ●金子史人/インターネットとは何か
- ●熊谷慈/「Raidy De Hatt ~魔王のルビーの秘密~」はこうして生まれた
- ●佐々木幸子/アートSNSにおける新しい美術鑑賞の提案
- ●田村彩/日本に行ってきました−日本の表象−
- ●西野あや子/mass pazzle
- ●沼尾なつ紀/アイダノコイダノ 未来の恋愛補助ツール
- ●望月紀代/現代における批評のかたち。
- ●柳澤茉悠子/書における時間と空間の関係性
- ●山下昌希/ひねる
- ●山田庸平/Dance Solution
- ●山本優/写真を撮るということ
- ●吉沢恵実/まがいもの展〜現代のガジェットコレクション〜
インターネットとは何か
金子史人
昨今、情報通信インフラの整備によってADSLインターネットやFTTHインターネットが普及し、インターネットは「テーマパーク性」を持ち得る環境が整いました。また、2008年にはNGNの商用化が始まり、インターネットはますます快適な環境になりつつあります。残念ながら、ブロードバンド配信事業は著作権との兼ね合いもあり、なかなか収益には結びついていません。しかし、YouTubeやニコニコ動画、mixiのようなデジタルコンテンツは私たちのライフスタイルに大きな影響を及ぼしました。
インターネットによってコミュニケーションに変革を齎したのは、平成生まれのデジタルネイティブです。デジタルネイティブはインターネットと携帯電話によって「時間と空間の制約」から開放されました。時間と空間の制約から解放されたことで「即返」という文化が生まれ、彼らは「極めて内輪の小コミュニティ」に自らを制約していったのです。「いつでもどこでもつながる」インターネットの本質はコミュニケーションであり、彼らは内輪のコミュニケーションを積み重ねて「携帯電話を自分たち専用のメディア」に育てたのでした。
実は、デジタルネイティブが起こしたコミュニケーションの変革を、ノンネイティブも経験しています。ビデオデッキの登場です。ビデオの録画機能により、テレビは「リアルタイムで見るもの」でなくなり、皆でテレビの前に集まる機会が減少しました。この時人々は時間の制約から解放され、コミュニケーションのかたちを変化させたのです。
コミュニケーションのかたちが変わると、テーマパーク性も変化します。かつて百貨店が事業採算性の観点から屋上遊園地やギャラリーを次々に閉鎖させた時期がありました。コミュニケーションメゾンとしての価値を失った百貨店は、以後12年間連続で売上げ額を落としています。かといって、今さら屋上遊園地やギャラリーを併設しても意味はありません。昨今のコミュニケーションの変革により、商業施設に求められるテーマパーク性も変わってしまったのです。
一体、インターネットとは何でしょうか。インターネットは人間のリアルな生活の中に存在することで、初めてコミュニケーションメゾンとしての役割を果たします。インターネットは人と人との距離を劇的に縮めました。直接会わなくて済むのでリアルの交通量が減り、代わりにネットのトラフィックが増加します。つまり、インターネットはリアル同士を繋ぐ「いま一番新しい交通機関」なのです。