arts project
新正卓写真展プロジェクト
今井教授のもとで行われるアーツプロジェクト「新正卓写真展プロジェクト」。秋の展覧会に向けて話し合いを重ね、芸術文化学科としてどう関わる事ができるのか、可能性を考えながら模索しています。現在進んでいる計画は、iPodを使った音声での観客へのアプローチと、展覧会に関する冊子の制作です。
従来の音声ガイドの様な、作品の解説に終始するのではなく「イメージを膨らませる」という事に重点を置いて、編集を試みています。冊子もまた同様に、図録としての役割ではなく、広い意味で捉えた「写真」や「新正卓」が見える冊子を目指しています。
退任展という特別な展覧会において、新正先生の写真から観客への、布石が、より強いものになればと目指し日々活動しています。
「一言の威力」
私達はアーツプロジェクトの全体のテーマ、コンセプトとして「一言の威力」を置いている。 新正先生へのインタビューを重ねて、話し合う内に新正先生の言葉に、様々な事象の歴史的背景や匂い、情景を強く思い起こさせられた。様々な経験、記憶などが、なにげない言葉のひとつひとつに想像以上の深みを与えている。一言、一言の中に、巨大な世界観が宿っているのだ。言葉は、意味内容だけでなく、思想や歴史を背負ってきている。 そしてまた発信者の歴史と経験を通して聞き手へ届けられる。それらは、展覧会が開催される上で、写真から語られるものに更なる深みを与え、送り手と受け手の相互関係をより強く結びつけることができるのではないかと私達は考えている。
冊子やiPodも「一言の威力」を強く意識して作業が進められている。アーティストと鑑賞者の関係性は、作品と鑑賞者(音声の有る作品も含め)のみが対峙するというのが一般的である。しかし、今回、この展覧会において事細かに情報を提示することの必要性があるのかと疑問の声があがり、単なる情報に留まらない形を選んだ
私達が思う「一言の威力」には「記憶」「感触」などの意味も強く意識されている。作家である先生と働きかけあいながら、イメージを固め、作り上げていくことができるこの恵まれた環境を最大限生かしきり、形にしたいと思っている。 (芸術文化学科3年 瀬古春佳)