武蔵野美術大学 芸術文化学科

NOKISITA-GEKIJOU project ’06

軒下劇場製作記

テアトロノキシッタ(軒下劇場)が如何なるプロセスを経て完成に至ったか、そして軒下劇場製作に関わった学生達が如何なる努力と奮闘を展開したかその軌跡を追いかけんと、実際に施工が始まってから本番までの一週間を簡単な解説と写真を交えながらダイジェストでまとめたのが、この製作記である。
各インタビューと定点観測映像を含めて、学生の生の姿と、現場の雰囲気の一端でもお伝え出来たら幸いである。
軒下劇場プロジェクト取材班総括 長 

「劇場」マネジメントにおける理念と
現場製作に至るみっつのポイント

企画を立ち上げてから現場に落とし込むまでは多くの人手と長い時間を要するもので、軒下劇場プロジェクトもその例外ではない。そんな中で軸を見失わず、継続的な立脚点を確保するためにどの様な「コンセプト」を、そしてそれに付随する条件を如何にクリアし、実際可能にしたか。劇場製作記録に即し、その根幹部分に触れた以下の文章を是非一読いただきたい。

point1 ふたつの条件

さて、ゲイブン自らの手で劇場を建てることの決定に際して企画班が与えられた命題はふたつあった。ひとつは「サスティナブル(持続可能)デザイン」であること。もうひとつは「お金がかからない」こと。低予算かつ再利用を見通した設計——勿論、スマートなデザインと劇場の機能面で抜かりがあってはならず、施工期間もかなり限られている。シビアな条件だが、これはまさに社会の現場で実際に要求されることそのままであり、このシビアさがゲイブンの性質と特徴を端的に表していると言えよう。
設計担当⇒メディアプランニングB/スペース

point2 構造面の検討

また、より現実的なところで劇場の構造体としての問題解消も大きな課題であった。建物とはいえ「屋根を乗せる」というのは設計、施工、予算どの見地からも極めて難題であったので、早々に「既存の建造物に寄った」つまり屋根を借りた所に設営する方針が決まり、ムサビ内の様々な場所がロケーションハンティングされた。その結果が、今回の舞台である一号館軒下なのだ。
舞台と客席については美大の利を活かし、複数のモデル台(雛壇)を学内から手配しそれらを組み合わせることで解決した。
ただし壁ばかりはどうしても新規に製作しなければならなかった。加工のし易さと予算から見てベニヤ板を扱うのは即決したが、その具体的な経過については製作記を参照頂きたい。
施工担当⇒府中の森アーツプロジェクト

point3 総合力

勿論、劇場を建てるのは演劇を上演するためであり、演者達の努力を忘れてはならないだろう。
自らの手でオリジナル劇場を設営し、自らが舞台を舞い、さらには自ら運営する。全ての要素を学科生がマネジメントする"オールゲイブン"というのはゲイブンだからこそ成し得たことであり、ゲイブンの底力と総合力の結晶こそがこの、「テアトロノキシッタ(軒下劇場)」なのである。
そしてそれを発表する場所としてオープンキャンパスはまさに、うってつけの舞台であったのだ。
演劇担当⇒映像II

それでは、劇場製作記録をお楽しみください。