コメント
アートへの愛情がひしひしと感じられる良いインタヴューになった。私自身、インタヴュー前はかなり緊張していた。しかし、そんな私たちを見てか、それを打ち払うように、一言、一言、私たちの目を見ながらしっかりと話してくださったその温かみに感動。言葉のはしはしにも福原さんのそんな人柄がにじみ出ていて、思わず笑みが出てしまいそうだった。インタヴュー内で特に興味をひかれたのが、写真の管理方法。今や誰もが持っている写真だが、メディアが多様化していく時代だからこそ、それが難しい、またその専門家がいなくて大変、という話に。
また、東京都の美術館ゆえの苦労、それに打ち勝とうと、様々に新しいことへ挑戦する冒険力とそのパワーに、資生堂時代のメセナ活動とは全く畑の違ったことに取り組むことに何も臆することなく、前に突き進むその姿勢に、とても共感できた。美術館へ行く人が減っている中、入場者数を増やしたというその実績には驚き。これからの写真美術館に期待が高まる。
(芦立さやか)