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2000年に入り、熊本市現代美術館、森美術館と新たなタイプの美術館が日本にあらわれた。これらの美術館はホテルやさまざまな商業施設と併設され、従来の美術館とは異なる環境の中に存在する。熊本市現代美術館は、日々多くの人々が行き交う繁華街のほぼ中央に位置している。熊本市が地元の私は、帰省するたびに現代美術館を訪れるのだが、そのたびにインタビューの中で南嶌氏が語っている美術館のテーマ「人間の家」を強く感じる。館内には熊本県特有の方言があちらこちらで聞こえてきて、方言でのギャラリーツアーも聞くことができる。またキッズファクトリーでの精力的な活動のため、多くの楽しそうな子どもの姿を美術館の中でみかける。今後、九州で、日本で、どのような位置づけがなされていくのか。2004年には金沢で21世紀美術館が開館する。オープンしたばかりの森美術館をはじめ、各地の新たな現代美術館が、今後、日本のアートの世界でどのような活躍をするのか、とても楽しみである。
(白木栄世)