データ
霧島アートの森
美術館名「霧島アートの森・KIRISHIMA OPEN-AIR MUSEUM」
郵便番号、住所(〒899-6201 鹿児島県粟野町木場6340番地220)
Tel.0995-74-5945
E-mail/press@open-air-museum.org
URL http://www.open-air-museum.org/
●沿革
霧島アートの森は,鹿児島県文化振興課が整備主体となって,霧島連山栗野岳標高700m の高原敷地面積約20ha に,芸術・交流施設として平成12年10月に開園した。ひとつの霧島構想という大きなプロジェクトの一環として、県が造ったものである。
1992年3月。
木村尚三郎・東京大学名誉教授を座長とする委員会の論議を経て、まとまった霧島国際芸術の森基本構想が発表された。霧島国際芸術の森基本構想は,我が国最初の国立公園に指定された霧島地域における豊かな自然を生かした芸術文化の多様な創造活動と交流の展開を目的に平成4年3月に策定され,現在,芸術文化活動拠点施設の整備・活用を進め,地元町や民間と一体となった構想の推進を図っている。
同構想は「芸術をコンセプトとする地域づくり」を基本理念に据え、芸術活動展開のために創造、音楽、活動の三つの森を整備する、とした。
1993年12月
総合基本計画第二期実施計画(1994-97年度)で、県は栗野岳山ろくに霧島彫刻ふれあいの森を整備することを、正式に事業化した。
1994年
県は、基本計画策定懇話会(座長・中村晋也鹿児島大学名誉教授)を立ち上げた。
93年の霧島彫刻ふれあいの森(仮称)事業化を受け、県地域政策課はまず94年度、造園部門の東京ランドスケープ研究所(東京)と委託契約を結び、基本計画と基本設計をまとめた。
1995年
当時の土屋佳照知事は、県議会3月定例会の本会議で、彫刻の森整備を初めて明らかにしている。基本計画は95年8月にまとまった。
1996年
県建築課が、中核施設・アートホールの基本設計を早川邦彦建築研究室に委託。
彫刻検討委員会が発足。そこでの議論から作品選定が始まった。委員長は日本芸術院会員の彫刻家で、鹿児島大学名誉教授の中村晋也氏。
※「彫刻作品等の収集に関する基本方針」には、次のようにある。「栗野岳の自然環境を最大限に引き出しうる作品」「国内外に高い評価を得ているシンボリックな作品」。全体像としては「戦後の彫刻を中心に、現在までの美術の潮流を感じられる20世紀美術の拠点」と位置付けている。
1997年
県文化振興課が、作品・作家選定委員会の運営を含めた美術面の調整や演出を空間造形コンサルタントに委託した。
県文化振興課は同年、作品選定に公平性を期するために作家を除き、美術評論家を中心に委員を再構成。彫刻検討委員会で座長を務めた中村氏に代えて、神奈川県立近代美術館長の酒井忠康氏(1998年3月に退任)を委員長に選んだ。
1998年
霧島アートの森は、県の霧島国際芸術の森基本構想に沿って着工。
山ろく部の地形や植生をできるだけ残しながら、約20ヘクタールにアートホールや野外展示ゾーンなどを整備。国内外の作家二十人の彫刻などを野外に設置する。
1999年
4月、県文化振興課に、彫刻の森整備の専従班が編成された。同時に県教委の美術教諭1人を学芸専門員として配置した。
8月までに、20人の作家との契約が完了。10月、国内外の15人の候補作家とともに郷土作家5人が発表されると、県内の美術界からは驚きの声が上がった。
2000年
10月12日(木) 午後1時30分、霧島アートの森、一般開放
2004年
4月、タンダウとカサグランデ&リンターラの新作が設置されて野外が22点、屋内コレクションが37点となり、合計59点になった。
○建物
早川邦彦建築研究室(オープンコンペにより、全国から応募されたものを県が選定した。)
設備費は約43億円。
○付帯設備
広大な野外には、身体障害者用トイレ・休憩ベンチ・水飲み場などを備えている。
また美術館のゲート的存在であるアートホール(屋内)は、展示室以外に多目的スペース・ロッカー、休憩のみでも利用できるカフェ・ショップ&ライブラリーなどがある。
近隣の自然環境は、植物が200種類くらいあり、野鳥は約80種類も見ることが出来、昆虫なども観察できる。
○方針
他の美術館や関係機関と連携を図り、自主企画事業やイベント等を実施し、芸術・文化の拠点施設として親しまれる美術館にしていく。
○運営形態
財団法人鹿児島県文化振興財団による。
財団は,県民の多様な文化活動を促進・支援するため,各種の文化振興事業を展開することにより,鹿児島県の文化活動の一層の活性化と個性豊かな文化の香り高い地域社会づくりに寄与することを目的として設立された。
この目的を達成するため次のような事業を行うこととしている。
- 文化イベントの開催
- 伝統文化の継承活動に対する支援
- 文化活動に対する支援及び顕彰
- 広報活動
- 文化事業の受託
- 鹿児島県の文化施設の管理運営の受託
- その他目的を達成するために必要な事業等
○組織
(財)鹿児島県文化振興財団
○職員
学芸員三名。県の職員から、副館長と総務課長。財団なので、そこから一人女性の職員が来ているほか、地元の町からの職員が監視員や受付として勤務している。
なお、館長は元NHK会長の川口幹夫氏が務めている。
○活動内容
(1) 案内事業
ガイダンス/園内ツアー/探検クイズ/探検スケッチ/発見・楽しみ工房/ギャラリートーク/クイズラリー/ワンダースケッチ/ものしり鑑賞ルーム/みんなのアート工房など
(2) 特別企画事業
アーテイスト公開制作・交流/親子アートキャンプ/特別講演会/特別企画展 など
○来館者(利用者)について
利用者は年に約13万人。月に直すと、約1万強。
来館者はお年寄りからファミリー、カップル、小中学生などまではばひろい。
日曜日はファミリーが多く、平日は中年の方や、高齢の方も多い。
また、障害者の設備やバリアフリーも充実しているため、気持ちのよい空気を感じに来る障害者の方も多い。
鹿児島県内の学校等が教育課程に基づく活動で来援する場合、申請により無料となっている。
(巻木かおり)