Cultre Power
mecenat 大日本印刷ICC本部/Dai Nippon Printing Co., Ltd.


















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©岡部あおみ & インタヴュー参加者
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コメント

ある日、インターネットで検索をかけていると、お気に入りの評論家のテキストに引っかかった。とても興味深いテキストなので、掲載されているサイトはどんなサイトなのかしら、と慌てて元を辿ってみるとartscapeという巨大サイトであった。またある日、美術用語の検索をかけていると、またして artscapeに辿りついた。私はそれからartscapeという雑誌を逐一覗いては一人楽しんだ。質の高い濃密な内容で広くカバーされてある artscapeに私は今までかなりの恩恵を受けてきたが、ああ、これがメセナの及ぼす力かと、初めて生々しく感じさせられた。それまでメセナというのは、何だか雲の上の出来事のように感じていたから、突然身に降りかかってきた実感に私は驚いたのだ。そしてartscapeによってDNPのイメージが全く変わっていった。

話は変わるが、インタヴューで大日本印刷(株)ICC本部長加藤恒夫氏も言っているように、今出版業界では天変地異が起こっている。「だれが「本」を殺すのか」という本がベストセラーになったほど、出版業界の変動に社会全体が注目している。制度の見直しと巨大書店の乱立、またデジタル化にいかに対応していくか、という問題も加藤氏は挙げていた。私は印刷業界が今の地殻変動をどう考えているのかがひどく気になっていて、その点についてはインタヴューにおいてもとりわけ多く語っていただいたが、誰が読んでもその内容は、新しい分野の発見に驚かされるであろう。また他に、メセナ活動それ自体が、大企業の方向性を左右させた変遷も、ドラマを見ているような印象を受けるであろう。大企業は一単体ながらもその中は複雑で毛細血管が多数網羅している。企業活動とメセナ活動も複雑に錯綜している。しかしその錯綜したエネルギーが企業全体をひどく魅力的に演出するのだ。

DNPを俎上に乗せて、研究の切り口は多数ある。目の前の食材で、誰がどんな料理を作るのだろうか。
(今西彩子)