Cultre Power
mecenat 資生堂ギャラリー/Shiseido Gallery


© Io Okada








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イントロダクション

 知れば知るほど好きになる。さすがメセナ協議会理事長の福原義春氏が創った企業文化部。余裕があって寛大で品が良い。樋口氏や西村氏などのスタッフがみな輝いているのもすばらしい。やはり歴史が大切なのだ。文化の香気は一朝一夕にブレンドできるものではない。
 美の創り手たちの無数の知恵と芸術への深い憧憬が、日本の最良のモダン・デザインを生み出してきた。それは70年代に資生堂ギャラリーや掛川のアートハウスの建築デザインを、まだ若手だった谷口吉生に依頼したクライアントの眼目の確かさにも表れている。日本でもっとも欠けているのは、才能の触感がつかめて、しかも包容力のあるすぐれたクライアントやコレクターの層である。
 2001年にオープンしたリカルド・ボーフィル設計による東京銀座資生堂ビルは、外壁の暖かいスタッコが赤レンガの風格を放ち、昔懐かしい銀ブラの情緒さえ醸し出した。そして1歩中に入ると、天井の高い新ギャラリーは別世界の静けさで満たされている。この斬新な展示スペースには、飛翔感のあるオブジェとか、浮遊感のある映像なども、きっと良く似合うことだろう。
      
   (岡部あおみ)