Cultre Power
artist 田中偉一郎/Tanaka Iichiro
contents

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Copyright © Aomi Okabe and all the Participants
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©岡部あおみ & インタヴュー参加者
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インタヴュー

田中偉一郎(アーティスト)×岡部あおみ

     

学生:芦立さやか、飯田真実、石川真由美、今井香織、いんびょる、甲賀つかさ、斎田圭一郎、椎橋美和、藤川知佳、山田紗織
日時:2004年11月29日
場所:武蔵野美術大学岡部ゼミ室

01 新作個展と学生時代

田中偉一郎:「くらし いきいきいきいきいきいきいきいき」という個展を今やっているので、まずその映像を流しましょう。

岡部あおみ:六本木のレントゲンヴェルケで12月の11日までですね。私は1度見て、その後でもう1回土曜日にじっくり見ようと思って行ったら、この授業で見せてくださるこのヴィデオを一生懸命撮っている田中さんに偶然会いました。田中さんはムサビの視覚伝達デザイン学科を卒業して、その後東京芸術大学の大学院で修士をなさったのですが、芸大はどこの学科ですか。

田中:デザイン科で、日比野克彦の研究室です。久しぶりに東京で個展をやるので、今までに作ってきたものを混ぜてみようと思って、厳選された10点ぐらいを出しました。生活、手の届く範囲にあったもので作るというか、「できちゃった」作品が信条なので、そこは外さず。作品作品してなくて、なおかつ、誰でもできるほど安易じゃないもの。そんなにすごいというものではありません。(映像を見ながら)リュックが地震みたいに揺れてるオブジェとか。僕が大学3年のときに作って、「アーバナート」展で入選した作品を使いまわしてます(笑)。これは『くらしの水芸シリーズ』。コンセントや財布など全部三軒茶屋で手に入るもので作りました。ただ、検証はいろいろしていて、30個位いろんな種類のもので試し、水の出具合がよかったものを厳選。今のは『光るゴミ』ですけど、電池が切れて一週間ぐらいで光らなくなりました(笑)。あと、工事用のロープで作った縄跳び。子どもが喜びそうな、ラジコンで紙を動かしてるように人のフィギュアを見る『ラジコン・ペーパー』。それとちょっと似たかんじで、ニッカの絵の具入れに亜鉛の粒と紙を入れると不思議な動きをする『ひとあそび』。他のプラスチックの筒だと、こうはならない、それでしか成立しない素材で作品にします。静電気のせいか、紙でできた人型が、たまに飛び上がったりしながら、動き回る。先日引越しましたが、引越すとき部屋の隅から出てきた畳を切り取って、ジオラマ化した『ナチュラルジオラマ』というシリーズもあります。男の子の昔のおもちゃ箱がそのまま出てきて、そこに物語を感じてはいかが、という提案。予備校の時に作った模刻を出してみたり。当日展示会場に持って行って出さなかった作品もいくつかあったり。また今も続けてますけど、壊れかけた家をいかにも自分が壊したことにしてる写真(『ストリート・デストロイヤー』)。たとえば、この道を俺が叩き割ったことにしている(笑)。あやつり人形のようにこけしをひもで動かしてヴィデオで撮った『こけしいきいき』は、マリオネットの基本を勉強して、こけしをマリオネットにして動かしてますが、オープニングの日に実演したんですけど、意外と重くて、結構難しい。歩いたり、自由浮遊、いろんな技を編み出して楽しんでました。乗っかったり、ジャンプしたり、スピン、だだをこねるような仕草、お辞儀。立たせて、顔をこっちに向けるのがちょっと難しい(笑)。今回はこの作品がメインで、動かしてもしかたがないものを動かしてみるといった子ども的な発想が、結構いきいきしていることにつながるかなと思いました。どうでしょう。一応展覧会の説明はこれぐらいでいいですか。照れますね、インタヴューは。

岡部:田中さんはバンドをやっていて、歌詞を作り作曲して、自分でもヴォーカルもなさるの?

田中:そうですね。デュオで。作詞も曲も自分で作る場合と相方が作る場合と、半々で混ざってますね。

岡部:『こけしいきいき』の映像作品と同じように、音楽のCDも非常にテンポが速くて、聞いていると元気になります。(笑) 大学のころから、ライブなさっていて、音楽のタイプも変わってないのかしら。相方の永井さんとは大学時代の友達ですか。

田中:音楽は全く変わってないです。永井はムサビに一年いて、芸大に行きました。僕は大学は普通に卒業して、本の装丁をやって辞め、広告の仕事を1年やって辞め、1年間何もしないで、家でふざけたことをしていて、フリーターでも、働いてもいない。何にもしてない。ぶらぶらもしていない。家で、『浮浪雲』(ジョージ秋山)を全巻読んだり、ヨーグルトを1週間食べ続けたり、何もない日々でした(笑)。その後、大学院に行きました。

岡部:わりとのんびりしてた時期が長いわけですね。

田中:いや、のんびりという感じではなくて、無駄な時間をひたすら過ごす、みたいな切羽詰まった感じです。その反動で大学院では学生の安心があって、やりたいことができた。音楽は音楽で続けてましたが。

岡部:今のようなオブジェみたいなものも作っていたんですか。

田中:高校ぐらいから作ってました。やっていることは今とあまり変わってない。オブジェにしても、曲にしても。ただ、いろんな人からキャラづけされて、それに理屈がくっついてきたという感じですね。

岡部:もともとのご出身は東京ではないんですよね。

田中:出身は愛知ですけど、愛知では育ってない世田谷っ子です。幼稚園ぐらいからもう東京です。名古屋で展覧会をやったりしましたけど。

岡部:高校の頃にオブジェみたいなものを自分で作ったとき、何かきっかけはあるんですか。もともと美術系の大学に行きたかったのかしら。

田中:きっかけはべつにないですね。何が最初かわからないですけど、こどものころからいろいろ作ってました。かといって、別に家にずっといる子でもなくて、ほんと普通の子だと思います。サッカー部だったし、特におたくっぽいこともしていなかったけど、家の時間が暇だったんですかね、テレビをあまり見ませんでしたし。

くらしの水芸
©Iichiro Tanaka 

はと命名
©Iichiro Tanaka 

こけしいきいき
©Iichiro Tanaka 

辞書
©Iichiro Tanaka 

ラジコンペーパー
©Iichiro Tanaka 

もうじき作品集vol.1
©Iichiro Tanaka 

スト・デス
©Iichiro Tanaka 

顔ずれガンダム
©Iichiro Tanaka 


会場全景
©Iichiro Tanaka 

02 水のオブジェまで売れていて、びっくり! 作品の落としどころ

岡部:椹木野衣さんが、田中さんと赤瀬川さんに近いところがあると書いていましたが。

田中:よく言われますね。

岡部:自分では意識したことはないんですか。

田中:意識はしていないけど、赤瀬川原平さんは作品も人も好きです。自分の作品は、自然にできたものではなく、自分が作った「トマソン」はないかと、思ったことはあります。

岡部:現実に壊れているものを、自分が壊したようにみせかけて写真をとる作品(『ストリート・デストロイヤー』)は、路上観察派的ともいえますね。

田中:まさにあれがわりと近いかと。作るときに、赤瀬川さんは意識してませんが。

岡部:田中さんの作品は、椹木さんも言っているけど、アートなのかどうなのかみたいな、境界線にありますよね。

田中:いい意味で、よく展評で酷評されていました。現代美術にこういうのが入ってくると困る、みたいな。困らせちゃっても悪いなーって思って、発表の機会が減らした気もします(笑)。

岡部:2003年の個展に出品されていた『ハト命名』の映像、すごくおもしろくて、ぜひ田中さんにお会いしたいなと思ったんです。今回の個展には出されてないので、DVD買わないと見られませんが。作品だから高いかもしれないけど、みなさんもぜひ見てください。

田中:売りたかったんですけど、なかなかDVD化ができなかったんです。それで立場上、作品展で出すのが一番簡単かなーと。

岡部:今回の個展の出品作は、びっくりしましたが、バチバチバチと赤がついてみな売れてましたね。前回よりも売れたんじゃない?

田中:なぜか最初から売れましたね。前回よりも値段がちょっと上がりました(笑)。驚かれるかもしれませんね。こんなの何で売れるのって。

岡部:とくに驚いたのは、水を使った作品(『くらしの水芸シリーズ』)も売れたこと。(笑)7万円とか、一般的な美術作品に比べれば安いけど、びっくりするでしょう?オブジェやDVDなら持っていられるけれど、水の作品はどうするんだろう。

田中:いや、あれはおすすめですけどね(笑)。そんなにびっくりって・・・。いいなあ(笑)。どなたかの事務所に置くっておっしゃってましたよ。

岡部:水の音が流れているっていいなあと思ったし、噴水を部屋にいれるのは無理だから、オブジェの噴水みたいなものもいいかもしれませね。(笑)田中さんの場合、オブジェ、写真、映像、音楽、全ての媒体にこだわらずにやりたいことをやっているという感じですね。基本的にはメディアを全部使えるから、自分でやりたいメディアでできる。普通だと、技術は学校教育にも結びついている部分があり、絵や彫刻だけをやり続けるとかになりがちです。その枠を取り払って、もっと自由に自分がやりたい身近なものから始めようと田中さんは思ってるんではないのかしら。そう思っても普通はなかなかできない。あるいは、アートに対する考え方など、教育がかえってブロックしていたり、いろいろあると思うんですけど、そういう点で田中さんは自由なのかな、と思います。そうした自由を持ちえる人は少ないんではないか。それで田中さんに注目しているんですが。

田中:なるほど。今聞いていて思ったのは、たとえば、彫刻科で彫刻をやって、いろいろおもしろいものが出来たり、いいものを作っていくのはそれですごく良くて、でも、それが彫刻科に入る前からそういう状態であればいいんだけど。自由だから自由なことをやるとかも、よくないと思うんですよ。そうすると、「マルチメディア」を売りにすることになる。そうではなくて、これをやるときは映像で、このぐらいでやるのがよく、だからこの作品はこの媒体で、とか。これは写真でやった方いいとか、さっきの「ストリート・デストロイヤー」は、ムービーにしてもおもしろくないし、文章に書いてもおもしろくないので、写真に。その媒体に落とす。そんなにすごい作品にはならないですけど、どこに落とすとおもしろいかで作るというかんじでつくっていますね。


田中偉一郎氏
Photo Aomi Okabe

03 発想の素 社会へのひろがり

岡部:とても発想が自由だと思います。しかも、ジャンルにこだわらないで、何かやりたいことがまずあり、どこに落とし込もうかでしょ。発想が大事なわけですが、どういうところで発想がわくんですか?ただ普通に生活してるとパっとわくの?朝起きたときとか。

田中:わかりません。(笑)村上隆さんは、朝の4時半から6時半までが僕のピークポイントですとか、こないだテレビで言ってましたけど。

岡部:一種のクセとかリズム、旅行してると頭の回転がよくなって発想がわくという人もいますが、田中さんにはそういうのもないのかしら。

田中:スポーツするとか。昔好きでしたけど、旅行はほとんどしない。3年くらいしてない。仕事のロケとかもないです。写真撮りも全部スタジオ。ごめんなさい。移動が発想の源ではないかも?(笑)。

岡部:こけしを操り人形みたいにしようと思ったり、その発想の素ですが。

田中:一個一個分析してみると。。おもしろいものないかなって考えていて、ふとこけしをマリオネットにしてみようと思いついた。そこからは、具体的な方法論になっちゃう。本にも書きましたけど、考えるって、そもそもあらゆる発想を全部試すことなんじゃないですかね。いつも同じやり方じゃないけど、くっつけたり、ずらしたり、発想のパターンは何万通りもあるから、一通りやってみるという感じですかね。

岡部:『美術手帖』で田中さんが手がけている「やっつけメーキング」という連載にも、いろんなおもしろいアイディアや発想があり、どこからどう生まれるのか不思議だなと。

田中:連載に関しては、締め切りですね。だからネタがちょっと無理矢理っぽい。ただ、ほんとは最初文章は書きたくなかった。文章なしでお願いしますって出したら、でも本だから文章ないとだれも読まないから書いてよって言われて。

岡部:文章もおもしろいですよ。文章に関してですが、今回の個展のタイトルは、「いきいき」という言葉が続いてますが、最近スーパーマーケットの製品などでも「いきいき」というコピーが多いです。それは社会がいきいきしてないからでしょうか。

田中:あれはゆるい感じと、空気がなんとなくあって。俗っぽい世界観でもあり、美術というわりと狭い業界的なところでもある。それを総まとめにすると、僕なりの突き出し方は、あれかなというタイトルですけどね。

岡部:狭い業界というところはたしかにありますね。見る人も決まっているし。

田中:それはちょっと考えていて、ひろげたいとは思っています。NYでレントゲンの作家を取り上げた展覧会で、さっきのくるくる回るのを出したんですよ。それを小学生が欲しがって、買った。三万円を親に出させて。(笑)そういうことが起きるといいなと。4年前やったときも、『浮浪雲』のページを模写したやつを、就職して初月給で何を買ったらいいのかわからなくて迷い込んでここに来てしまいましたというサラリーマンが、七万円で買ってくれたんですよ。そういう客層が増えるといいと思います。

岡部:サラリーマンコレクターもいるけれど、どうしてもアートラヴァーという限られた人になってしまいがちですね。

田中:それを広げていくほうがおもしろい。NYとかの根付いているアート市場で動き回って目立つよりも。

岡部:小さく浸透していく?

田中:別に小さくなくてもいいんです、バーっとひろがっちゃっても。

岡部:田中さんの作品を買う人たちの層では、すでにそういう傾向があるのではないかしら。

田中:そういうふうにしたいですね。したいから、そういう人もいるのではないかと。

岡部:意識しなければ、ある一定の美術館界やコレクターという、いつものルートに広がっていくというだけですよね。一般の人は高いし、買わないし。人がなかなか買えないようなものは作りたくないのですね。

田中:それは絵とかのことですか?ラッセンの絵とかも描きたいし、模写とかもしたいですが、興味をもって理解できる人はたぶん美術の文脈をわかっている人。微妙ですけど、美術の人も多少おもしろいと思って、一般の人もおもしろいと思う、どっちつかずなのがいいかなと。多少ゆるいというのはそういう意味です。

岡部:引越しなさったので、『美術手帖』に以前のっていた下宿みたいなところには、もう住んでないのですね。

田中:あそこではムサビの友達と男三人で住んでました。場所にこだわりはなかったんで。

岡部:ムサビによくライブに来られていますね。

田中:今年も行きましたよ。「リス」というバンドです。ムサビの野フェスでもう9年目。

岡部:聞いた人いる?残念ながらいないようですが、これから注目します。(笑)音楽もおもしろくて、作詞のなかで言葉遊びが多いのが特長ですね。「いきいきいきいき」というのもそのひとつだと思うんですが。フランスだと、言葉遊びのすごくセンスがよい詩人がいるんですが、日本の場合はどこら辺からくるんですか。

田中:日本でも、谷川俊太郎とか茨城のり子とかの詩人がいますよね。

岡部:詩人の詩が好きなのですか。

田中:昔から知っていますし、好きですよ。本が結構好き。いろんなものが好きですね。ていうか、何でも好きです。(笑)

岡部:落語とか、ダウンタウンの松本さんとかも?

田中:落語も好きですね。松っちゃんですか、好きですね、お笑いも好きです。

岡部:田中さんのは、ギャグというかんじでもない。詩とかのほうが近いのかしら。

田中:どっちも好きですね。見るのも好きですけど、「やる」方が好きです。だから、スポーツでも、ライブでも、展覧会でも、そんなに変わらない。スタンスは「やる」ほうがいい。「やる」ほうの人が増えたほうがいいと思います。 プレーヤーが。

岡部:たとえば、小学生が田中さんのやっていることを見て、何か同じように作りたいと思うとかですね。

田中:そんな感じです。

04 できないことは、やらない。

学生:道を壊すときに、赤いジャージ着ているのは、ウルトラマンを意識しているためですか。

田中:ウルトラマン?その日に乾いてる洗濯物の中で選びましたけど。そこに余分な能力を使わないで、だけどベストをつくすというのが、一番楽にできて、結果も一番いい。あそこで衣装を集めだしたりすると、作り込めはするけど、それ以上にいいものができるかは疑問だし。

学生:いい意味で、その場の雰囲気にあわせるってことですか。

田中:一応、その場の雰囲気を作るためにちょっと前から、「めんどくさい」ことがおきないように、なんとなく準備しておくだけ。

学生:もし自分が鳩だったらとか、そういうことは思われるんですか。

田中:自分がどうだったらとかはあんまり考えない。わりと客観的です。

学生:『ハト命名』の鳩には、どんな名前をつけたんですか?

田中:いちおう101羽とったんですけどね。

学生:「岡本常夫」がトップですね。それはどうやって決めたんですか?

田中:いやー、特に(笑)。理由はないのですが顔を見て。この鳩は登場感があった。

岡部:鳩の映像は、鳩をよくみる環境だったから、思いついたんですか。

田中:それはあるかもしれません。上野の芸大にいたのでよく見ました。あれは、最初は芸大の卒制でつくったものです。鳩の調査をするという。つまらないことをずっとやっみていたのですが、つまらないからやめて、次に調査しようとしてできなかったという卒制にしようと思った。でも、ちょっとひねりがききすぎて、それもつまらないと思ったんですね。次に、鳩の一羽一羽に名刺を作ってあげようか、と思った。でも、それは、学生作品っぽいかなと。で、最終的に時間がなくなったので、カメラ向けたら、意外にカメラ目線をくれてたから、名前を打って(笑)。音もめんどくさいからつけなくていいや、と。

学生:アート界の三谷幸喜的存在ですね。

田中:?それは、自分の中で矛盾があるのかということ?自分とか他人とか、自分がどうとか、あんまり考なかったんですよ。なので自分のなかで葛藤があるとか、二種類あるとかが、ぴんとこないから、分からない。

岡部:逆に葛藤がある人のほうが、内にこもって表現、表現っていくのではないかしらね。

田中:自分の中って、わりとストレートですね。大学のとき難しい勉強も好きでした。美術館系とか、ものすごくいろいろ読みましたよ。芸文(ムサビの芸術文化学科)っぽいことも好きでしたよ、批評とか。

岡部:たとえば、批評はどんなのが好きですか。

田中:昔は詩論が好き。文字に対して文字で答えてるから分かりやすいなと。本当は、絵を論評する人は絵を描くといいと思います。そうすると、みんな作り手になるでしょう? 言葉に翻訳するだけになると、その中だけになって、おもしろくないかなと思うんですね。

岡部:ただそうすると、絵画論をされた人はわかるのかしらね。批評されてるのに気づくのかなという問題が出てきたり。

田中:あ〜、、、じゃあやめだ、やめ(笑)。

岡部:その二つを見た第三者はわかるかもしれないけれど。二人の関係がわかるのかなという感じはある。言葉は基本的なツールだから。

田中:言葉は好きだったんですけど、言葉だけに閉じちゃうと意外とつまんないですよね。

岡部:でも、作詞もやってるわけだし。ただ言葉は制限があるから難しい。ヴィジュアルで表すとより自由に、言葉にないものを表せる。それを言葉に置き換えようとすると、どうしても制限のなかでしかできなくなる。だから、つねにあなたにとって自由が大きなテーマではないかしら。鳩は自由だなって。(笑)名前をつけたから、ちょっと自由ではなくなったけど。(笑)

田中:自由か。ちょっと自由ではなくなった・・・・。うーん。自由、なるほどね。

岡部:仕事が忙しいから、作品を具体的につくれる時間がとれるかどうかが問題ですか?

田中:とれてますよ。

岡部:レントゲンヴェルケの契約作家で、他のところでは展覧会はできないのですね。

田中:そうですね。できないことはないですけど、一応レントゲンに一報することになっています。そういうのめんどくさいんで、別にレントゲンではという場合と、ここでやるので後はよろしくみたいな事でもいいんと思うんです。そうしないと、ギャラリストの仕事がなくなっちゃうから。

岡部:これも大事です。ギャラリストをサポートするというか。

田中:村上さんみたいにマネジメントも全部自分でやるのはすごいと思うんだけど、作家は作ってさえいればいいと思ってて。作家がある一時期はギャラリストになってもいいとは思うんですけど、役割分担は、はっきりしていたほうが逆にいい。一人で全部やるものでもないと思うんです。

岡部:展覧会は年に一回とか、二年に一回とかのペースですよね。それとも作ったモノが集まってきたらやる、みたいな感じかしら。

田中:特に、何年に一回とは決めてないです。

岡部:オブジェは小さいものが多いから、比較的保存は楽ですね。(笑)巨大なものだと、倉庫が必要になるけれど。

田中:多少、持ち歩きやすい方がいいとは思ってます。作品の質でいうと、あんまりでかいものは作ったことがない。自分の範疇でコントロールできないものは作れない。相当集中してやったりすると、でかい作品もできるんだろうけど、その集中が自分の範疇で普通に出せる範囲ではない。やろうと思えばできると思うんだけど、やろうと思わないとできないことは、やらない。

05 エロ・グロは消化されやすい

学生:『こけしいきいき』は、ご自身で操作して動かしたんですね。

田中:てこずってて、練習しました。その成果が、あの中に収められてるわけです。30カットぐらい撮り、失敗を含めて、一番よかったのを入れてる。時間が丁度そのくらいで終わったというかんじ。

岡部:見てるとおもしろくて、そんなに難しそうには見えないんですけども。(笑)

田中:あれは、難しいんですよ。(笑)

岡部:そういうのが多くないですか?見た目は簡単そうにみえるけど、お話を聞くと、ニッカの絵の具入れでしたか、あの筒しかだめってほんとなのかしら、みたいな。

田中:あれでしかできないんです。たぶん安いから、静電気がおきやすいのかな。

岡部:不思議。よく旅行のおみやげに売ってるスノードームは、作るの簡単なのかしら。

田中:ウォータードームともいいますが、最初は、全部作ろうかと思ったんですけど、キットが売ってたんです。中に入っている紙は、厳選したプラスチックの素材で一番浮きやすい。フィギュアはよく普通にあるものを加工したけですが。

岡部:誰でも見て知っていて、どこでも手に入るような素材を主に使っていますね。

田中:今手元にマイクがありますが、「マイク」と言ったときに、みんなが思い浮かべる「マイク」があって、思い浮かべたものに一番近いものをまず探すのは、結構大事。典型的なほうで選ぶというか。

岡部:固定観念やすでにある既成のイメージなど、日常的な無意識みたいなもの、それが意識化されてなくても、潜在的にある形やイメージ。そういうものと対話しようとしている気がしますね。それは誰の記憶にでもあり、対話がしやすい。

田中:さっきの言葉ではないけど、それに近いものを選ぶということですね。

岡部:それを介して、見る人と、あるいは買う人と、より対話しやすい環境をつくる。

田中:そうですね・・・。(笑)うーん、対話するというよりも、言葉みたいなことで、手を離れても、それがものを言っているという、もしくは何も言わないでもいいけど。もともと美術も3つくらい意味があり、何か残しておく「記録」としての美術と、宮廷画家とかの経済的、権威的な美術と、あとは、エロか。エロとか事件とか 社会風刺的なメッセージの媒体。そのぐらいだと思うんです。これらを避けたこれら以外が自分には近いかもしれない。コミュニケーションとか、媒体とかそういうことでもなくて。

岡部:田中さんの場合、最後に出た、エロスはあんまりないでしょう?

田中:エロは意外とないです、別に意識はしていないんですけど。エロとかグロとかは、センスはちょっといいと思うし、けっこうおもしろいし、評論しやすい、文章にしやすい。そうすると、そっちに流れて、消化されてしまうというかんじがある。すごく消化されやすく、流れていきやすいと思っているので、あんまりそっちには行かないですね。

岡部:故意に行かないようにしているわけですね。

田中:強いというか、作品作品してしまう。たとえば、写真で屋根割ってる人が、水着着てる女だったら、強いし、作品作品して、いい感じになるわけですよ。あんまりそういうふうにはしたくないなって思う。

岡部:知的な遊びのほうが、好きなのかしらね。

田中:いや、エロも好きですよ。そのほうがむしろ好きです。(笑)こけしも見方によっては、エロイでしょ?(笑)エロ本を作品にしたこと、昔ありましたけど、少ないかも。

学生:CDの詩で、「ロリコン、いいじゃないか」、という歌詞があるんですけど、作品ではなくて、詩ではそういう事を発表するのはどうしてですか。

田中:あれはエロではなくて、子どもがつい言っちゃったみたいなことだと思うんですけど。下ネタってやつで、下ネタとエロは違うので。下ネタは、結構、しょうもないというか、エロとは違って。

学生:でも何回も歌っていますよね。

田中:それは何でですかね。(笑)恥ずかしい感じが、おもしろいからかな。

岡部:田中さんもロリコンですか。(笑)

田中:いや、あんまりロリコンではないです。

岡部:ロリコンの人って、それだけひたすらという感じで限定されるところがあるから、田中さんは限定されるのが嫌いだからでしょう?

田中:いや、そういうことでもないのかな、よくわからないですけどね。ロリコンという歌を作ったのは、ロリコンという言葉が理由なくおもしろいのと、「いいじゃないか、いいじゃないか」というフレーズが、うけたと。(笑)それだけです。

学生:やってみてうけてから、歌詞にも入れようという流れですか。

田中:どちらかというと、そうですね。

学生:漫画は読まないんですか?

田中:読みます。『ヤンサン』、『モーニング』、『スピリッツ』は毎週読んでる。『日直番長』、『バタアシ金魚』、『望月峰太郎』とか。『ドラゴンボール』も『ちびまるこちゃん』も好きですよ。『サザエさん』も。

06 自分のポジションと環境づくり

岡部:仕事の上では、デザイナーの人と仕事することが多いんですね。

田中:そうですね、僕自身もデザイナーだったりしますし。

学生:アーティストは誰が好きですか。赤瀬川さんですか。

田中:昔の作品好きです。会田誠さんも好きです。宇治野さんも仕事頼んだりしてるんですけど。日比野さんも好きです。結構みんな好きですね。

学生:田中さんご自身は、自分はアーティストだと思って仕事をしてるんですか。

田中:会社の仕事?全然思ってない。普通に広告のアートディレクターです。

学生:客層を広げていきたいとおっしゃっていたことなのですが、これからの作品を作っていく中で、美術界でどういうポジションに立っていこうとか、考たりはしますか。

田中:考ようとはしますけど、結局考られないから、考えるのをやめていたり。ポジションはコントロールできないんだけど、なにか違うところでコントロールはできてるような気がする。自分のポジションは、わからないけれど、伏線は作れると思ってるんです。それが何なのかちょっとよくわからなくて、今しどろもどろになっている。(笑) ポジションねぇ。今までの美術の歴史の流れの中で、一回俯瞰で見て、ここだ、みたいなことでしょ?でもそういうのを一回全部忘れたいですね。 狙って手に入れたポジションなんて残らないですよ。

岡部:デザインのお仕事をしながら、自分の作品も作れるという、現在の環境に関してはいかがですか。

田中:この環境は自分で作ったという感じはあります。

岡部:満足してます?

田中:満足というか。今は、十分です。

岡部:お友達のなかに、アーティストはいますか?

田中:友達では、写真家兼書道家だったり。アニメーション、ブックデザイン、WEBデザイン、いろいろやっている友達はいますね。別に全員アーティストということでは特にないですけど。

岡部:みんな何かを作っている、作ることが好きだという人が多いんですね。

田中:アーティストといえば、みんなアーティストですけど。日本でアーティストというと、浜崎あゆみとかミュージシャンじゃないですか。そこがもう間違っている気がする。(笑)アーティストってやめたほうがいいかも。変だから、そこからやめたほうがいい気がする。

岡部:あいまいなかんじで定着しているから。

田中:意外とそういうところが大事だと思いますけど。売りのシステムがどうこうとか、美術を買う人がいないからではなくて、意外とそういう認知のされ方に違和感はあるかも。

岡部:自分自身の呼称はどうなさっていますか?

田中:美術作家にしています、一番わかりやすいから。美術家というのも。一時期、本とかには、現代図画工作家と書いているんですけど、美術作家が一番わかりやすいかな。 それ以前の学生の頃は、肩書きはなかったので、、サッカーやって、プラモ作って、友達と夜中まで酒飲んでマージャンして。あと、課題を少々やって。『美術手帖』の連載の「やっつけメーキング」は課題に似ている。課題を、一番手早く、簡単に、別にいい加減にやるのではなくて、きちんとやるための方法みたいなかんじ。

岡部:ムサビの視覚伝達デザイン学科は、課題が大変だと、学生からよく聞きますね。

田中:それを、うまく適当にやっていた感が『美術手帖』の連載に出てるかも。

岡部:新鮮でおもしろいですよ。

07 美大受験、美術館ってなぜ奥まったところにあるの?

岡部:学生の藤川さんは、上海ビンナーレを見に行ってきたばかり。私も行きたかったのだけど、今年は忙しくて行けなかった。

田中:最近、展覧会を、全然見てないです。国内の展覧会もほとんど見てない。情報誌やカタログではチェックしますが。もうちょっと美術館も見やすい場所にあればいいんだけど、行きにくい場所にあることが多いですよね。ギャラリーも、駅から奥まったところにあったり、最近は、それも多少なくなってきたとは思うけど。

岡部:美術館は文化環境整備や文化政策とのかかわりですが、ギャラリーはかつては、わざとではなくても、お金がなくてそういう所しか借りられなかったんでしょう。変わってきたけれど。作家は展覧会とか美術館とか、あまり見ない人がいますね。私たちは見るのが大好きで、たくさん見ますけど。

田中:たくさん観られたらおもしろいでしょうね。

岡部:作品を見るのもおもしろいし、その作品が選ばれて展示されていることのメッセージ、自分達が生きている時代のある種の共通した意識・無意識、そういうものを見ることになるので、さっき藤川さんが言っていたように、ある種の俯瞰的な編み方ができるようになってくるから、見れば見るほどおもしろくなるということはあるかもしれないです。

学生:ファイン系の人とのつながりはありますか。

田中:ちょっとありますね。デザイン系のほうが多いのは、単純にデザイン学科を卒業したからです。

学生:デザイン学科に進もうと思ったのはなぜですか。もともと工作が好きだったのに、視デを選んだのは?

田中:何でかよくわからないんですけど、予備校に通う際に、勘で(笑)。

学生:デッサンは好きでした?

田中:デッサンは、静物デッサンが好きでした。なぜか「コップ描いてるよ、俺」とか思って(笑)。

学生:そういうのは、苦ではなかったんですか。

田中:苦なのは、石膏デッサンとか、人を描くのが多少苦だったかな。顔が描けないの。

学生:家族は?兄弟とか。応援してくれたんですか?

田中:一人っ子。家族は応援してくれた。いや何にもしてないですね。そんなに貧困でもなければ、金持ちでもなかったから、中流家庭ですね。

岡部:お父様は芸術文化には、あんまり関係なかったのでしょうか。

田中:サラリーマンで、全然関係ないですね。家の本棚の下に、ムー大陸の本がいっぱいありましたけど。(笑)たまに話すと、卑弥呼はどこに住んでいたみたいな話。(笑)あとうちのおやじはダジャレですね。普通のおっさんです。(笑)かあちゃんは、作るのが好きだったかな。ミシンとか編み物とか。普通の家庭ですよ。

岡部:でも、早く亡くなられて寂しいですね。

田中:早かったですね。ガンは気をつけたほうがいいですよ。

岡部:私も両親を早くガンでなくしています。ガンはつらいです、痛いし。

田中:どんな話(笑)。その話のほうが大事ですけどね、美術云々よりも。最初、展覧会で「生命と私」というタイトルにしようと思ってたんですよ。そうしている中で、母が亡くなり、「生命と私」は私情に近すぎて、変えました。

学生:話を差し戻すようで申し訳ないですけど、芸大の入試問題、間違ってるとおっしゃってましたね?受験に必要なデッサンを学ぶ予備校とかアトリエは、これからも必要だと思いますか。行かないと受けられないのは、問題かなと思うのですが。

田中:間違っているとは言わなかったと思いますが。。。

岡部:予備校で勉強したデッサン力、今でも役にたってますか。デザイナーは役に立っているのではないかしら、アーティストはわからないけれど。

田中:確かに受験制度という考え方でみると、間違ってるところもあると思うけれど、要はやり手次第、中に入ってやっている子たちから見ると、あんまり間違ってるとは思いたくないと思うんですよ。そこで受験をどういうふうに楽しめるかとか、どういうふうに使えるかを考えるほうがポジティブかなという気はしますね。客観的になれる人はすごいとは思うんだけど、基本的になかなか変わらないと思うから。

学生:田中さんは、どこがおかしいと思われますか。私は芸術文化学科で、実技をやり、批評をするカリキュラムが理想的だと感じています。

田中:内容ですか。今どうなってるかはあまり知らないんだけど、デッサンにしても、学科によって内容を変えるんではなくて、むしろ全員が同じ石膏を描くとか。基準を作るなら、ひとつにした方がいいと思う。今、それがゆるいから、それで遊べる人と、遊べない人がいて、複雑になりすぎてるから、中に入ってる子が疑問を持ちやすいのかも。なにかにあわせるというより、自分で環境を作る。そこで自分なりにユニークネスで遊べるようにしておくというかんじがいいと思う。

岡部:たとえば椿昇さんというアーティストは、電通の人とよく仕事をしたりします。彼は電通の人は頭がいい人が多くて、なかなか自分とはうまくいかないこともあるとも言ってます。電通でアーティストと一緒に仕事をする場合はどうですか。中に入れるか入れないかにもよると思いますが、普通は田中さんのように入れる人は少ないけれど、内部で自分のもともと持っている力を利用して自分の好きなことをやっていかれる進入方法と、電通のような巨大な力に対する外からの批判も両方とも大事だと思いますけど。今、オフィスは、汐留ですよね。新しいオフィスにはパブリックアートもありますね。

田中:ジュリアン・オピーとかいろいろ、いくつかありますね。

岡部:そういうアートにはあまり興味はないんですか。

田中:あるほうだとは思います。

学生:(田中氏のCDの歌詞を読みながら笑う)

田中: 何事だ!?あ、「KISEKI」(楽曲のタイトル)ね。

岡部:映像は個展などでも拝見しましたが、音楽は聴いたことがなかったのでCDを買って聴いてみましたけど、おもしろいですよね。

田中:音楽も業界があったりしますからね。ただ作ってるだけで、別にデビューしているわけでもない。音楽側の人からしたら本当にどこにでもいるような自主制作のどうしようもない感じですけど・・・。

岡部:音程がたまに外れますけど、わざとですか。

田中:わざとではないですよ(笑)! ほんとヘタクソですよね。そういうのもダメなものはダメでいずれは淘汰されていくものだと思うので、とりあえず、でもやる。目の前にあるものはやるというのを全員がやると、勝手にいいところが出てくるんではないかと。だからすぐ動ける感じがいいですね。会社に入ってもすぐ辞められたり、また始めたりとか、展覧会もやってるけど、今日でやっぱりやめようと思ったらやめられるとか。そういうシステムは無理だとしても、そういうマインドでやればいいと思うんですよ。

岡部:どこまで自由にできるか・・・確かにシステムは出来る限りフレキシブルな方が楽しくなるとは思いますよね。:美術館について何か意見はないですか?遠くて美術館にはあまり行かないという話がありましたが・・・。

田中:それでも美術館のシステムや仕組みはわかっていますが、基本的には「お店」がいいと思っているのでギャラリーでやることが多いです。

岡部: 何かを見せるだけではいやだという意味ですか?そういった点で、ギャラリーはお店に近いからいいという感じですか。

田中:見せるだけでもいいんですが・・・見て楽しめるというと今はテレビがものすごく出来上がっていますよね。食べることとかも楽しいことですし。そういった点で美術は難しいですよね。美術館ではその印象がもともと作られているし、作ろうとしている。美術にすごく興味があって見に来ている人は楽しめるけど、そういう絶対数が少ないところだけを攻めるのはつまらないんではないかと。

岡部:田中さんの活動の中心は東京ですが、他の都市に出ることもなく東京に満足されている理由として、最後に田中さんにとっての「東京」という都市について聞いてみたいんですが。

田中:東京ですか・・・まず名前がいい。とうきょう、TOKIOとかね。名古屋とか大阪よりもいいです。京都よりも東京の方がいい。あとは、ダサい感じですかね。あまり洗練された感じはしませんね、六本木ヒルズとかも。いつまでたってもそういう感じのままで、まとまんねぇやって。たとえば名古屋はごった混ぜのイメージがあるけど、そういうのにもなれない感じがいいかな。文化が集まってるってよく言うけどそんな気もしないし、人間的といってもヒューマンとかではなくて、人に対しておあつらえ向き。狭いところで住んでたり金持ちもいたり、汚いところも含めて、このくらいじゃないのって。巨大都市と言っても、情報的に集まっているのはありますけど、全然でかくはない。「ほどよい」と言うよりは、「こんなもんだろう」っていえるちょうどいい街だと思います。

(テープ起こし担当:飯田真実、山田紗織)


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