artist 島袋道浩/Simabuku Michihiro

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イントロダクション

この人ほど、愛されるすべを知っている作家は少ない。かつて中世の吟遊詩人が生活と芸術の糧に旅をして歩いたように、まるで渡り鳥のように<シマフクロウ>は生きている。 たんなるノマド(遊牧民)の移動ではなく、気に入れば、その場所の樹木に巣を作り、卵を残して去ってゆく。  こんな自由人にとって、「よーいどん」で開始する展覧会の準備はつらそうだ。2001年の横浜トリエンナーレに参加したときにも、のんびりと船で到着したかのように『日本の船旅 / Seafaring Japan』のパネルが現れた。パシフィコの会場へ通じるクイーンズスクエア横浜のモールだから、一見、本当の旅行案内所の広告に見える。中国や韓国などへの定期船の時刻表、ルートマップ、価格表が、誰にでも手に届く現実としての旅へと誘う。旅を重ね、人生を重ね、芸術を重ねる。こんなすてきな生き方はない。

(岡部あおみ)

バンフのアーティスト・イン・レジデンスでの活動記録は こちら↓http://apm.musabi.ac.jp/archives/dia2001/