Cultre Power
NPO ASIAS/エイジアス

















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©岡部あおみ & インタヴュー参加者
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コメント

ASIAS設立から4年。ワ−クショップ型授業、組織について掲載されたメディア数は、34にも上る。そのうち、2004年の掲載数は既に18。設立当初の堤氏の、アートと子どもという漠然としたヴィジョンが、一つとなり、形となり、まさに軌道に乗り始めたと言っても良いのではないだろうか。最近では、文化庁でも教育現場への芸術家の参入プログラムを目標に掲げ動き始めた。堤氏の活動は、先駆的なものであったとも言えるのであろう。

「教育」と「美術」は、一見かけ離れているようでいて、実は非常に密接なものである。NPOが非常に多く、多彩なプログラムが見られるアメリカなどに於いても、美術とレクチャ−や講義といったものが結び付けられているプログラムがいくつも存在しているし、なによりも近年、日本で増え続けている美術館の教育普及プログラムといったものがそれを物語っているように思う。
芸術家の特性も大きな要因の一つであるかもしれない。多くの芸術家は、子どものように、常に好奇心を持ち、目を輝かせ、多くの人が見過ごしてしまうような発見をしてしまう。また、常識にとらわれずに柔軟な感性を持っている。このような類似性があると同時に、お互いに刺激し合える存在でもある。この、遠そうで近しい関係の両者を巧みに融合させてしまったのがASIASだった。

「事業費のファンドレイズはある程度出来ると思うけど、管理費の方は難しい。なかなか理解してもらえない。」
これは、インタヴュ−中の堤氏の発言の一部である。管理費は、芸術系団体にとって特に重要とも言えるものであり、ここに対する公・民の支援がなかなか得られないという状況は万国共通である。特に、日本に於いては基盤がまだまだ脆弱であるといって良いだろう。失望する者は、数多くあれど、ASIASは他のNPOと組んだり、地域へ働きかけ、状況を打開すべく日々邁進している。現状を嘆くだけではなく、これからは、個々のラディカルな活動や働きかけが一丸となり、状況を変化させることが必要となってくるのではないだろうか。ASIASの今後の活動に注目していきたい。

(佐藤美保)