授業記録
芸術文化特論 Vol.1 大月ヒロコ氏
チルドレンズミュージアムとミュージアムの教育ゾーンについて考える
板橋区立美術館教育普及担当学芸員を経て1989年IDEA,INC.設立。以後、各種博物館の開設準備、教育プログラム開発などを行っている。
1998〜2001年には大阪府立大型児童館ビッグバンの総合プロデューサーとしてスタッフ育成、移動ミュージアム・各種展示・ワークショップ・イベント・キットの企画・開発・制作などをおこなった。
最近は九州国立博物館の教育ゾーン「あじっぱ」のプロデュースの他、ミュージアムやキッズスペースの空間デザインにも取り組んでいる。有限会社イデア代表取締役。
チルドレンズミュージアムとは
子ども達のために用意された博物館。科学・美術・社会などいくつかの分野がミックスされて構成されているもので、最古は現在でも活動しているブルックリン・チルドレンズミュージアムである。
現在の一般的なチルドレンズミュージアムの元型になっているのは1913年にオープンしたボストン・チルドレンズミュージアムだ。
初代館長、マイケル・スポックが現在のチルドレンズミュージアムの基礎になる考え方を提示したと言っても良い。
子どもたちが自らの気持ちで起こした行動で得た体験や印象は、深く理解され、ながく彼らの記憶にとどめられるものだというコンセプトにのっとって展示物が作られている。
日本でのチルドレンズミュージアムの始まり
アメリカの流れを受けて世界中にチルドレンズミュージアムが増えてきた。日本では1985年に青山こどもの城がオープン。国立の大型児童館ではあるが、チルドレンズミュージアムの考え方が入っている。
フランスでは、ラ・ビレットという科学系のミュージアムの中に「子ども都市」が出来る。近年は韓国・タイ・フィリピンなどアジア諸国にも徐々に増えてきている。
子ども対象とした施設という事では、国内では児童館、こども科学館、青少年科学館、また、新しいタイプの子どものための施設などが多くのものが挙げられる。 児童館とは本来、18歳までの子どもを対象としているが、現在の利用者は年々低年齢化し、現在は就学時以前の子どもが多く集まる傾向にある。高学年、中高生向けの事業をどのようにしていくかが課題だ。
こども科学館、青少年科学館は1970,80年代に数多く作られた。最近は頭打ち気味だが、こういった中には体験型の科学実験やサイエンスショーなどのアトラクションが入っていることも多い。
子ども対象とした施設という事では、国内では児童館、こども科学館、青少年科学館、また、新しいタイプの子どものための施設などが多くのものが挙げられる。 児童館とは本来、18歳までの子どもを対象としているが、現在の利用者は年々低年齢化し、現在は就学時以前の子どもが多く集まる傾向にある。高学年、中高生向けの事業をどのようにしていくかが課題だ。
こども科学館、青少年科学館は1970,80年代に数多く作られた。最近は頭打ち気味だが、こういった中には体験型の科学実験やサイエンスショーなどのアトラクションが入っていることも多い。
アメリカのチルドレンズミュージアム
ボストン・チルドレンズミュージアムは、住宅地にあった古い家からスタートし、手狭になったため港の古い倉庫を改装して使用するなど、海外のミュージアムは小さく生まれ、徐々に大きく育って行くところも多い。
最初に公共事業として大きな建物を建てて、オープン後はソフト面で節約することばかりを考えてしまう日本の館とは、成り立ちがあまりにも違う。 お金集めに対しても非常に積極的。展示物にはフレキシブルな対応がある。たとえば、人気がない展示は撤去したり、改善したり。
アメリカのチルドレンズミュージアムで非常にポイントとなっているのは多民族国家であるがために、コミュニケーション能力や自分のルーツにかかわること、また他者との共存について子ども自身が発見できるようなプログラムを用意しているところだろう。
大阪府立大型児童館ビッグバン「子どものホンネ展」の試み
まずはアンケートをとる事から始まった。楽しく書けるようなアンケート用紙を用意した。子ども達に記入してもらったものを集計。集計結果を展示した。
ペットにしたい動物、一番恥ずかしかったこと、他の人とはここが違うぞと思うこと、おうちのひとからよくいわれることば、初恋はいつ誰と?などなど。展示期間中の日々の集計も反映するため結果は変動する。変化しつづける展示となった。
街にいるプロフェッショナルの活用
子供たちが思い描いた服そのままを、本人が実際に着れる服として、本人が作る。そんな子どもには出来そうにないと思われている事を大人のサポートを得ながらチャレンジする。服飾の専門学校の先生からは自分たちのプロフェッショナルな部分を子供たちに伝える事が出来てよかったと感想をいただく。
この例では服飾であったが、他の事でも置き換える事が出来るだろう。
街にいるプロフェッショナルが子供に自分たちの技術を伝えていくことにより、自分の持っている技術をもっと広く知らしめることが出来るし、自らの職能についても自信を深める事が出来るはず。
受動的だった展示を能動的な展示へ
深い理解を得てもらうためには能動的展示であるほうが効果的。その時の参考になるのがチルドレンズミュージアムの展示であり、教育プログラムである。大人であっても専門外の事に関しては、子どもと同じ程度の知識レベル。
誰にでも理解される展示を作るには、チルドレンズミュージアムの展示方法を研究するのが一番。どのように関心をもってもらい、どのように伝えるかというテクニックを日々磨いているのがチルドレンズミュージアムであるわけで、そこに答えはたくさん用意されている。
聞いたことと、実際に見たことでは違うという経験はみんなあると思うが、見たことと実際に自分が手を動かして体験したことも違うはず。
チルドレンズミュージアムは日々、細かな周期でプログラムが変化するところ。 訪れた際には、プログラムのタイムスケジュールをまずチェックしてもらいたい。また、学校などの団体を相手にしたクローズドのプログラムをやっていることもある。学校の先生、幼稚園の先生と一緒にコンテンツを練り上げる試みも定着してきている。 年間の事業報告書をネット配信している館もあるので、興味があればのぞいて見るのもいいだろう。前述のボストンでは収蔵庫を展示の1つとして考え、保存や展示に関しての興味をかきたてる様なプログラムもある。 こういった場では、様々な国の文化を理解しながら、人にどのように展示として伝えて行くかを学べる良きチャンスが提供されているわけだ。
チルドレンズミュージアムや子どもなんとか・・・というネーミングは、子どもという言葉がついているから行かないというのではなく、反対に、子どもという言葉がついているからこそのぞいてみると、そこには今学んでいる事のヒントが意外に多く隠されている気づくのではないだろうか。
聞いたことと、実際に見たことでは違うという経験はみんなあると思うが、見たことと実際に自分が手を動かして体験したことも違うはず。
チルドレンズミュージアムは日々、細かな周期でプログラムが変化するところ。 訪れた際には、プログラムのタイムスケジュールをまずチェックしてもらいたい。また、学校などの団体を相手にしたクローズドのプログラムをやっていることもある。学校の先生、幼稚園の先生と一緒にコンテンツを練り上げる試みも定着してきている。 年間の事業報告書をネット配信している館もあるので、興味があればのぞいて見るのもいいだろう。前述のボストンでは収蔵庫を展示の1つとして考え、保存や展示に関しての興味をかきたてる様なプログラムもある。 こういった場では、様々な国の文化を理解しながら、人にどのように展示として伝えて行くかを学べる良きチャンスが提供されているわけだ。
チルドレンズミュージアムや子どもなんとか・・・というネーミングは、子どもという言葉がついているから行かないというのではなく、反対に、子どもという言葉がついているからこそのぞいてみると、そこには今学んでいる事のヒントが意外に多く隠されている気づくのではないだろうか。
(2006年4月18日)