メッセージ

芸術文化学科の理念

芸術文化学科は、1999年の創立以来、社会を支える基盤としてますます重要になっていくアートやデザインと、それらを生み出す文化を、理論と実技の両輪から多角的に研究しています。現代社会において、分野を横断した幅広い視点と、そこから生まれる新たなビジョンにより、根本的な社会の問題を見直すための提案が必要であると私たちは考えます。そのため本学科では、アート、デザインと社会を接続するための、未開拓な視点の創造と実行力の獲得を目指し、専門性に長けた教員が、理論と実技、演習のバランスの取れたカリキュラムを4年間を通して提供します。
 芸術文化学科は、調査研究、企画立案、教育、評論、制作、マネジメントなど、これからの社会において欠くことのできない分野で十分に活躍する人材を輩出することが目標です。

ごあいさつ

社会とアートをつなげる役目を担う専門家を輩出する、というのが芸術文化学科の使命です。この「社会とアートをつなぐ」という意味について少し述べてみたいと思います。この世界の人々はつねに社会的な関係に規定されながらも、日常の生活において「美しいもの」や「より美しくあるべきもの」を求める感受性をなくしたことはありません。ただし、この「美しいもの」を求めていく心は、いそがしい社会生活のなかでつい忘却されがちになります。そのなかで、造形作品と触れ合って生き生きとした何ものかを感じとり、そのみずからの未来に自己投企していく「生の感覚」をとり戻すために、アートは存在しています。例えば、他人にとってそれはただの樹木にすぎないかもしれませんが、その本人にとって、その樹木に自ら独特のイメージを重ねてみたり、その樹木の生命が宇宙の大きな営みの一部にあることを新たに発見したりするために、アートはあります。
それをまず、個人に限定した感覚経験として受け入れます。しかしその主観的な経験が社会的な場面において受け入れられないことが起きます。そこでは、個的な価値と社会的な価値の違いを認めながら、つねに生きうごめいているからです。その関係においてはじめてアートの価値があぶり出され、いっぽうで社会生活上の客観的価値が浮き彫りにされていくはずです。
なぜなら、社会と個人とは市民社会成立の基本的な関係にありますが、社会も、個人も、確たるものとして認識することは難しく、つねに生動的な関係にあるからです。それゆえ人は専門の研究領域に限定して、たとえば、彫刻学科の学生は「彫刻」制作によって、映像学科は「映像」によって、また視デは「視覚伝達デザイン」によって、その制作実践をとおして社会と個人とのつながりを得ていきます。同じく、芸術文化学科は「芸術文化」の研究をとおして、社会と個人を結び合い、世界とのつながりを得心していく学科なのだ、といってよいでしょう。そのために、芸術文化学科には多様な分野の専門教員がひかえており、幅広い立場から総合的に思考していく応用力を育成していきます。

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主任教授
高島直之


武蔵野美術大学 旅するムサビプロジェクトカルチャーパワー